皆さんはインドコブラというヘビをご存知でしょうか?
まず、コブラと言えばインドでヘビ使いが笛を吹いてコブラを操っているイメージがあるかも知れません。
インドでは、コブラという生き物は神聖なヘビとして扱われているんですよ!
現在でもその様な大道芸が行われているのですが、あまり詳しい生態などは知らない方がほとんどだと思います。
今回はそんなインドコブラの生態や特徴、そして毒について詳しく紹介していきたいと思います。
インドとコブラの関係
古くから蛇は生き物の中で最も恐ろしいものという認識があり、人間と蛇が住んでいる所には境目など無く、一緒に共存しているような存在だったのです。
いつ何処で遭遇するか分からない、コブラのような毒蛇に噛まれてしまったら命を落とすかもしれない…。
そんな恐怖や危険から逃れるべく、古代のインド人は『ナーガ』という蛇神を創造しました。
ナーガとは、インド神話に起原を持つ蛇の精霊もしくは蛇神のことです。
その蛇神であるナーガはどの様な姿をしているのかと考えた時に、蛇の神ナーガはコブラと同一視されるようになりました。
蛇に襲われたくない、死にいたくない、という気持ちから蛇神ナーガに守ってくださいとお祈りをしていたのです。
そして、いつからかコブラが蛇神のように扱われるようになりました。
インドコブラの生態と特徴
インドコブラはコブラ科フードコブラ属に分類される毒蛇です。
生息地は主にインドですが、その他にもネパールやスリランカなどにも生息しています。
生活環境は、森林や草原や人間と接触する機会が多い農作地などにも出現します。
コブラは人間に身近な蛇なので、毎年1万人が噛まれているようです。
平均体長は約120㎝~160㎝ですが、大型のものだと250㎝程のものもいます。
体の特長としましては、頚部の皮膚(フード)背面に眼鏡模様の斑紋が入っているのが特徴です。
危険を感じるとフードを広げて立ち上がり、噴気音をあげて威嚇します。
基本的に体の色は褐色ですが、色は個体差があり、淡褐色や黒褐色などもいます。
顎から腹部にかけては濁った白色や淡褐色で、腹部には褐色のまだら模様が入っています。
食性は、小型の哺乳類や爬虫類や両生類などの口に入る大きさの動物を好んで食べますが、鳥や鳥の卵を食べる事もあります。
獲物の噛みついて牙から毒を注入し、獲物が麻痺して動かなくなると丸飲みします。
天敵はマングースやクジャクで、この二種類にはインドコブラの毒が効きません。
インドコブラの毒の強さと成分
インドコブラが持つ毒の成分は『神経毒』で、噛まれると神経伝達の異常が出て筋肉への伝達が上手くいかなくなり、麻痺・痺れ・呼吸困難などの症状を引き起こし、命を落とすこともある恐ろしい毒です。
さらに、主な成分は神経毒となっていますが、『出血毒』の成分も含まれており、出血毒が血管内に入ると血液の疑固が出来なくなり、出血が止まらなくなります。
そして、細胞を破壊して傷が広がり、激しい痛みと壊死を引き起こします。
インドコブラの毒の強さは、インドに生息する毒蛇の中でもトップに入るほどの強さを持っています。
そう思えば、蛇使いの人はかなりの勇気と根性がありますね…。
インドコブラについてのまとめ
今回はインドコブラについて紹介しましたが如何でしたでしょうか?
毎年1万人が被害にあっていると聞くと、とても恐ろしいですね。
最強の毒蛇と言われているのに、マングースやクジャクが毒に耐性を持っているのもすごいですね。
インドコブラは日本には生息していませんが、日本にも毒蛇はいますので、アウトドア中などに出くわしても近づかないように気を付けましょうね!
ライターMISAKI