ジメジメ系、くねくね系の生き物は、どうしても好きにはなれない筆者ですが、今回はあえてニシキヘビを取り上げます。
テレビなどで、巨大なニシキヘビを首に巻いている様子などが放映されることがありますが、あんなことして大丈夫なのかと思わずにはいられませんが、はたして、ニシキヘビには毒がないのか、危険性はないのかを調べます。
ニシキヘビの特徴!
ニシキヘビの分布域は、アフリカ大陸、東南アジアの島々も含むユーラシア大陸、オーストラリア大陸、ニューギニア島で、森林・熱帯雨林、サバンナ・岩場、水辺・湿地など、種によってさまざまな地域に生息しています。
ニシキヘビの体長・体重は、種によってかなりばらつきがあり、もっとも体が大きくなることで有名なアミメニシキヘビは、10メートルに及ぶこともあるとのこと。
ニシキヘビはほとんどが夜に行動し、肉食で爬虫類、鳥類、哺乳類などを食べます。
動きはゆっくりですが、獲物を捕らえるときは素早く動きます。意外に胴体の筋肉が発達しています。
自分の体よりも大きな獲物を飲み込んでいるニシキヘビの映像を見ることがありますが、ニシキヘビは柔軟に開閉できる顎や肋骨をもち、しかも胸骨がないため、自分よりも大きな獲物を捕まえて飲み込むことができるのです。
日本にニシキヘビはいない!
テレビや動物園で見かけるような巨大なニシキヘビが日本の自然にいたらと考えるとぞっとしますが、日本にはニシキヘビはいません。
テレビなどで見かけるのは、ペットショップで販売しているのを購入してペットにしているだけです。
ただし、ペットとして飼育する場合、アミメニシキヘビなどは特定動物になるので、地方自治体の許可が必要です。
ところで、沖縄の三線には、ニシキヘビの皮が使われているので、沖縄にはいるのではないかと思われがちですが、沖縄にもいません。
もともと三線はニシキヘビなどが生息する中国で作られた楽器だからニシキヘビの皮が使われているのです。
三線の材料となるニシキヘビの皮の輸入は、ワシントン条約に抵触するため、現在は養殖したヘビの皮を使用しているとのことです。
ニシキヘビには毒はない!
ニシキヘビには毒があるかというと、ニシキヘビの仲間すべてに毒はありません。
体が大きなわりにのんびりした動き、無毒で、しかもよく見るとかわいらしい小さい目、ペットとして飼う人の気持ちも多少はわかるかも!?
もし万が一、咬みつかれた場合でも、ただ傷の手当てをするだけでよいとのことです。
ニシキヘビの危険性!
ニシキヘビはおとなしくて無毒な生き物だといっても、まったく危険がないということではありません。
ごくまれですが、ペットや人間までもが飲み込まれたという事件が報道されることがあります。
ニシキヘビは、ふだんはゆったりしていても獲物を目にすると素早く襲いかかり、鋭い牙でとらえると、筋肉が発達している胴体でジリジリと締め付け、心臓と止めて殺した後、丸呑みにしてしまうのです。
なぜ毒をもつヘビがいるのか?
ところで、なぜ毒をもつヘビともたないヘビがいるのでしょうか。
もともとヘビは毒をもっていませんでした。ニシキヘビは原始的なヘビといわれ、毒をもっておらず、獲物を絞め殺してエサにします。
けれども絞め殺すには強力な筋肉が必要で、エサを獲ることにかなりの労力を要します。
そのためもっと楽に獲物を獲得する手段として、毒性のある唾液を使用するものが現れたと考えらえています。
そのため、毒をもたないヘビと毒ヘビとが存在するのです。
日本にいる毒ヘビは?
では、日本にいる毒ヘビには、どのようなものでしょうか。
ハブ、マムシの、ヤマカガシ3種類です。
ハブ
沖縄のヘビといったらハブ。奄美諸島、沖縄本島周辺に生息。
黄色っぽい地に黒いアミメ模様が特徴。平地から山林、農地や民家近くまで多領域に出現し、毒性はマムシよりは弱いものの毒量が多く、攻撃性も強いので危険。
マムシ
日本の毒ヘビといえばマムシ、日本全土に生息するヘビ。
頭は三角で、色は茶色っぽい銭形模様。薮に棲み、水辺周辺に出現。
毒性はハブより強く、ヤマカガシよりは弱い。
ヤマカガシ
北海道を除く日本全土の水辺に生息するヘビ。
色・模様には個体差・地域差があり、判別しにくい。
オレンジ色などの派手な個体もあり。
目がクリッとしていて愛嬌がある顔をしているが、強い血液凝固作用のある毒性があり、マムシの毒の4倍近くの致死量がある。
まとめ
ニシキヘビは原始の悠久さを感じさせるようにゆっくりと動き、体は大きいけれども毒性はないヘビだということがわかりました。
ペットとして飼う人の気持ちもわからなくはありませんが、筆者としては、ペットとして飼うならばやはりモフモフの犬猫がいいなあと思わずにはいられません。
(ライター sensyu-k)