近年は「四季咲きバラ」もあり、ほぼ通年のように咲く事もあるバラですが、バラの花がより映える開花時期というと寒い冬を越した春の時期かもしれませんね。

バラといえばアブラムシですが、どのような対策が効果的なのでしょうか?

バラについて

北半球に自生し、園芸用としてあっという間に広がったバラ。

種類にもよりますが、春のバラの見頃は5月から6月頃です。

都内でも神代植物園などでバラを見る事ができます。

北区になりますが、旧古河庭園のバラもおすすめです。開花時期はだいたい5月頃です。

アブラムシの発生時期や種類

アブラムシの発生が目立つようになるのは4月以降の事が多く、ちょうど春咲きのバラの開花時期と重なる頃です。

新芽などにもつき、吸汁してバラを弱らせてしまいます。

 

バラにつきやすいアブラムシは、バラミドリアブラムシ、イバラヒゲナガアブラムシ、キャベツなどの野菜にもつくモモアカアブラムシ、ワタアブラムシなどです。バラミドリムシは黄緑色の2mm~2,2mmほどのアブラムシです。

 

成虫になるとバラの葉などから吸汁します。出現時期はだいたい4月頃です。

イバラヒゲナガアブラムシは体長が2mmほどの黄緑色のアブラムシです。

 

3月~秋にかけて発生し、幼虫・成虫ともにバラの汁を餌とします。

生息地域は全国です。アブラムシ類の特徴は、卵から孵化した個体が雌であり、しかも既に卵をもっている事です。

 

春先から夏、秋口まで一般に見られるアブラムシ類の多くは雌であり、餌などの条件によってはまた産卵可能な状況である事が多いのです。

真夏には少し個体数が減る事もありますが、その特異な生態の為一度駆除してもまたぞろぞろアブラムシが発生してしまう場合もあります。

アブラムシ対策について

アブラムシの数がそこまで多くなければ、つまんで取り除く事も可能かも知れません。

葉の裏にびっしりいる時は、地道に葉を取り除きます。

 

薬剤を使用したくない場合、なるべく無農薬でバラの栽培をしたい場合などに適する方法が幾つかあるようです。

どの方法もメリットやデメリットと思われる面があります。

バラのコンパニオンプランツなど

一緒に植える事で、病害虫を寄せ付けないようにする共栄植物を植える方法があります。

コンパニオンプランツといわれるものです。

 

バラにつくアブラムシ対策になり得るのはユリ科のニンニクやネギ科のチャイブ、ニラなど香りの強いものとされます。

アブラムシの防虫効果に加え、うどんこ病など病気を防ぐ効果も期待できるようです。

 

ニンニクは秋植えですが、冬を越すのが難しいようです。

ニラなどのネギ類は数年植えないと効果が出にくいとも言われます。

牛乳や木酢液など

牛乳を水で薄めてスプレーし、その後水で洗い流す方法があります。

アブラムシの駆除というよりその時にいるアブラムシを窒息させてしまうものなので、効果は一時的なもので根本的な対策にはなりません。

 

また、木酢液は薄めてスプレーしてもバラ本体を傷める可能性があります。

牛乳の場合は葉にかかる事でバラの葉を傷ませたり、臭いで他の虫がやってくる事もあります。

アブラムシ対策の生物農薬について

アブラムシを食べる昆虫は、ナミテントウ、ナナホシテントウなどのテントウムシの仲間です。

しかし自然にテントウ虫がやってくるのを待つのでは効果が期待できにくく、テントウムシの種類を間違えると大変な事になります。

 

また、ナミテントウは成虫になると翅をもちますので、餌となるアブラムシ類が少なくなるとどこかへ飛んでいきます。

最近でアブラムシ対策として「飛ばないテントウムシ」というものが販売されています。

 

徹底的に無農薬にこだわりたい方には良い方法かも知れません。

農薬の使用を減らし、農薬に耐性を持つとされる、モモアカアブラムシなどには効果が期待できるかもしれません。

ただ、生物農薬については価格が高く、また生物に詳しくないと使うタイミングが難しいという側面があります。

唐辛子スプレーの使用

ニュータイプのものとして、唐辛子を使用したスプレーをかける、という方法があるようです。

この唐辛子スプレーの作り方は幾つかあるようですが、一般的に無水エタノールなどのアルコール類に唐辛子を少なくとも半年以上漬け込み、それを水で300倍に薄めてスプレーするというものです。

 

漬け込むのは唐辛子に含まれる成分を抽出させる為なので、木酢液、アルコール度数の高い焼酎などでも良いようです。

バラとアブラムシ

一番効果的なアブラムシ対策は、バラ木の通気性を良くしなるべく丈夫にしておく事です。

バラは日当たりの良い場所を好み、花を咲かせる為には5時間くらいの日向を必要とします。

 

剪定の時期は12月~1月頃やアブラムシ類がつきやすくなる5,6月頃などです。

その時期に古くなった枝はどんどん切って風通しを良くしましょう。

バラの育成には時間がかかりますので、まずはバラ本体を丈夫に育てる事を目標としてはいかがでしょうか。

(ライター:おもち)