日本には35種類のコウモリがいると言われています。
寒さの厳しい北海道にも分布しているコウモリたち、冬は一体どうやって過ごしているのでしょうか?
コウモリの生態
私たちがコウモリと言っているのはコウモリ目に属する動物の総称。
世界には980種類ほどのコウモリが生息していて、その数は哺乳類全体の四分の一を占めているのだそう。
これはネズミなどの齧歯目に次いで2番目に多いというのだから驚きです。
コウモリは極地やツンドラ、高山、大洋上の島々を除く全ての地域に生息しています。
前肢が翼になり、鳥など羽毛の生えた毛と違って飛膜と呼ばれる伸縮性のある膜で覆われています。
哺乳類では他にムササビ、モモンガ、ヒヨケザルなどが飛膜を持っていますが、鳥類に匹敵するほどの飛行能力を持っていると言われています。
前肢は親指が離れたところにあり、それ以外の指は細長く伸びる形状をしています。
飛膜は人指し指以降の指の間から後肢の足首までを結んでいて、腕と指の曲げ伸ばしで自由に開閉することが出来ます。
後ろ足は弱く、立つことが出来ないため、休むときには天井からぶら下がるように休みます。
排泄の時などは前脚の親指の爪をひっかけて用をたします。
コウモリは大きく分けてオオコウモリとコウモリの2つに分けることが出来ますが、このうちオオコウモリは植物性で果実などを好み、農業被害が報告されている人間にとってはちょっと困った存在です。
一方コウモリの方は食虫性で、種類によっては植物性のものや肉食、血液食性のものなどがいます。
日本には樹洞や洞穴が少ないため、生息場所は限られていることや、研究者が少ないことなどからレッドデータブック入りしている種類も沢山あるのだそう。
詳細については不明というコウモリが沢山いるそうで、まだまだ未知な部分も多い生物のようです。
コウモリの鳴き声
コウモリは獲物を捕らえる時や飛行する時に獲物や物体との距離を超音波によって図ることが出来ます。
音の反響を受け止めて、周囲の状況を知るエコロケーションといわれる方法です。
音の周波数は高いものが多く、30kHz~100kHzで、人間には聞こえにくい音を出しているコウモリも沢山います。
水面の振動を感じとって獲物を捕獲するコウモリがいるかと思えば、熱帯地域では超音波対策をしているカエルや昆虫もいるのだそうです。
この時の音を私たちは声として認識しているわけですが、その音はネズミと違えるような鳴き声で、「チッチッチッチ」だったり、「キッキッキッキ」といったスタッカートの入ったような鋭い音です。
コウモリの進化の過程
コウモリは実は哺乳類から進化!?したのではないかと言われています。
樹上で生活していた哺乳類が飛行能力を身につけ、その後エコロケーションの方法を獲得したというのが、最近の研究で分かってきたことのようです。
コウモリの冬眠
さて、ようやく本題に入ります。
コウモリたちは冬眠するのかどうか、ということですが、日本に生息するコウモリのうち、アブラコウモリやヤマコウモリは冬眠をします。
彼らの主な食性は昆虫です。昆虫は冬には探すことができませんので、当然エネルギー消費を抑えた冬の過ごし方を考えなければなりません。
アブラコウモリは11月頃から屋根裏に、ヤマコウモリは木洞の中で冬を越しています。
暖かいところに集団で集まって越冬し、3月下旬に覚醒するまで、エネルギーを抑えてじっとしています。
アブラコウモリは都市部でも見られるコウモリですが、都会のど真ん中に暮らすコウモリたちは越冬はしないのだそうです。
また、北日本や冬期には寒さが厳しくなるような山地に生息しているものは鷺池のように渡りを行うものもいるそうです。
(ライター ナオ)