皆さんはアザラシというとどんなことを連想するでしょうか。

最近でも秋田県の川に現れたアザラシがニュースで話題を呼びました。

今回はそんなアザラシのお話です。

アザラシの特徴

アザラシは漢字で海豹と書き、鰭脚類に含まれる海棲哺乳類のグループでアザラシ科やアザラシ亜科に分類されます。

北海道ではアイヌ語でトッカリという呼ばれ方をしているようです。

ホッキョク圏から熱帯、南極まで幅広い海域に生息しています。

アザラシ科は全部で10属19種からなり、頭蓋骨や四肢骨の特徴からモンクアザラシ亜科とアザラシ亜科に分けられ、モンクアザラシ亜科に属する種は主に南半球に、アザラシ亜科に分類される種は北半球に生息します。

 

日本近海では北海道を中心にゴマフアザラシ、ワモンアザラシ、ゼニガタアザラシ、クラカケアザラシ、アゴヒゲアザラシの5種類を見ることができます。

アザラシの種類には体重が50kg程しかないワモンアザラシから3700kgにもなるミナミゾウアザラシまで幅広くいて、体重にはかなりの違いがあるのも特徴です。

 

体格は多くの種類で雌雄それほど顕著な違いはないのですが、ミナミゾウアザラシにおいてはオスの体重はメスの10倍にもなります。

逆にモンクアザラシやヒョウアザラシはメスの方がオスよりも大きくなります。

首は短く、四肢には5本指があり、指の間には水かきがつきヒレに変化しています。

アザラシの前ビレのうち、空気中に露出している部分は人の手首よりも先の部分にあたります。

 

体には短い毛がびっしりと隙間なく生えています。

アザラシは優れた潜水能力を持っていて、キタゾウアザラシは1,500mまで潜水した記録があり、鼻腔を閉じることが出来るので肺の中の空気をほとんどすべて吐き出すことで高い水圧に耐えられるなど潜水に適応した特徴を持っています。

アザラシの生態

アザラシの夫婦形式は一夫一婦型のゴマフアザラシのような種類もいますが、一夫多妻型やハーレムを作る種もあります。

出産は陸上や氷上で行い、一回の出産で産む子供の数は一頭、妊娠期間はほぼ1年です。

食性は魚やイカなどですが、種によってかなり偏りがあるのも特徴です。

アザラシの眼球は陸生の食肉類に比べて大きく、網膜には色を識別する能力はなく、明るさを感じるのみ。

 

そのため、アザラシに色の概念はないと言われています。

聴覚は鋭く、目の横に耳の穴があります。ゴマフアザラシなどのいくつかの種類では水中でクリック音を発してエコロケーションを行っています。

臭覚は親が自分の子供を見分けるのに使われています。

アザラシの毛皮

アザラシの毛皮は高級なブランド品の財布やバッグ、帽子や靴の中敷きさらには本物そっくりのアザラシのぬいぐるみなどに使われています。

ふわふわとした高級感のある毛並みはとても美しく、需要も沢山あるようで世界中で乱獲されています。

 

カナダでは毎年3~5月にかけてアザラシの毛皮を採るためにアザラシ猟が行われます。

漁で殺されたアザラシの数は過去3年間だけで100万頭を超えると言われ、殺される多くは無抵抗なアザラシの赤ちゃんだそうです。

 

過去の5年間で殺されたアザラシの97%が生後3か月以下の赤ちゃんアザラシで、その中でも特に1か月未満の赤ちゃんが生きたまま毛皮をはがされたり、頭を殴られたり、銃で撃たれたりして虐殺されています。

 

しかも、銃痕が残ると毛皮としての価値が下がってしまうので、撲殺されることが多く、また死んでから時間がたつと皮が固まってしまい硬くなるので生きたまま皮を剥いでいくのだそう。

 

アザラシ猟はそんな理由でかなり残酷な漁ともいわれているようです。

書店には円らな瞳をしたアザラシの赤ちゃんの写真集を多く見かけます。でも、陰で実は随分と残酷なことが行われていたということ・・・・皆さんは知っていましたか?

(ライター ナオ)