人間がゴリラのまねをするとき、鼻の下を膨らませて胸を大きく張り、拳で胸をたたくドラミングが通常ですが、この動作、一体どんな意味があるのかご存知でしょうか?
ゴリラの特徴や生態、ドラミングなど詳しくお話していきます。
ゴリラの特徴と生態
ゴリラは霊長類ゴリラ属に分類され、アンゴラやウガンダ、カメルーンなどアフリカ大陸の広い範囲に生息しています。
体長は170~180㎝、体重は150~180㎏で、メスはこれよりも一回り小さいぐらいです。
黒や灰褐色の体毛をしていて、オスは生後13年ほど経つと鞍状に白いラインが入り、それをシルバーバックと呼びます。
18年経つと、後頭部が突き出てきて、よりゴリラらしく!?貫禄のある顔つきになります。
生まれたばかりの幼獣は1.8kgほどですから、人間よりも小さく生まれて、人間よりはるかに重くなるということです。
ゴリラは昼行性で夜は毎日寝床を変えると言われています。
一頭のオスと複数のメスで群れをつくることが多く、個体密度は低地では一㎢あたり20頭、高地になると30頭以上の集団でいます。
食性は植物食の傾向の強い雑食で、果実や植物、アリやシロアリなどの昆虫を食します。
乾季には植物の根や樹皮などを食べることもあるようです。また、腸内環境を保つために自分の糞を食べることも知られています。
繁殖期間は一年中で、妊娠期間は250日程度、3~4年の間隔を開けて出産します。
寿命は40~50年ほどと言われています。
大きな体の割にはストレスに弱く、攻撃性もほとんどないのが特徴です。
繁殖期以外はほとんど自分から攻撃を仕掛けることはないと言われています。
しかし、縄張り内に他のオスが入ってこようとすると、胸を大きく張って両手で胸を叩いて音をだす、ゴリラを象徴するかのようなポーズで威嚇し、この行為はドラミングとも言われています。
ゴリラのドラミング
ドラミングは長年相手を威嚇するための戦闘の合図と考えられてきました。
しかし、実際の所は自分の存在をアピールし、縄張りがあるからこれ以上近づくなというどちらかというと平和交渉の意味を持っているということが最近の研究でわかってきたそうです。
また、このドラミングの音は2㎞先まで響くと言われていて、仲間との連絡にも使われています。
エサの場所を発見したときや自分が危険にさらされた時にその状況を仲間に伝えているのだそうです。
そして更に、ゴリラが興奮したとき、自分自身の心を落ち着かせるために叩くこともあるのだとか。
しかも、ドラミングの時の手は人間が通常まねする拳ではなく、開いたまま。
思わぬ出来事で心拍数が上がった時など、人間も自然と胸に手をあて、自分自身を落ち着かせようとすることはよくある動作です。
やはり、同じ霊長類。ゴリラのドラミングも人間と似ているところがあるようです。
ゴリラの握力
余談になりますが、ゴリラの握力はどれくらいあるかご存知でしょうか。
人間の成人男性の握力は平均50kgwほど。女性は30kgwほどなのに対し、ゴリラの握力はなんと、400~500kgwもあるのだとか!!本気で握力系を握った場合には軽く500kgwを超えると言われています。
これは成人男性の10倍ほどの握力!!
チンパンジーでは200~300kgw(発狂したチンパンジーのメスで572kgwという記録があるとかないとか)、ニホンザルでは30kgwと言われていますから、その強さは計り知れません・・・・・もちろん人間が握手なんてしたら、ゴリラの本気具合によっては、その場で骨が砕けてしまうということに!!
まあ、温厚なゴリラですからそんなことはないのかもしれませんが、いずれにしても、リンゴなんかは軽々グシャっと潰してしまうということです。
(ライター ナオ)