毒を持つ危険な生き物と言えば、爬虫類や昆虫類、一部の魚類やクラゲなどがまず思い浮かびますよね。

ふと考えてみると…哺乳類はどうなんだろう…?

 

あまり知られていませんが、哺乳類の中にも毒を持っているものたちがいます。

じつは意外なあの動物も!?

今回はそんな毒を持つ哺乳類たちを、紹介していきたいと思います。

謎に包まれた哺乳類「カモノハシ」

鳥のようなくちばしを持ち、哺乳類なのに卵を産み、いまだ多くの謎に包まれている生き物カモノハシ。

哺乳類とは思えない、見えないかもしれませんが、彼らもれっきとした哺乳類。

 

彼らには他の生物にはない特徴がたくさんありますが、「毒」もその一つ。

オスのカモノハシの後足の踵には、毒を持った爪があります。

どうせそんな威力はないでしょ?と油断してはいけません。

 

カモノハシの毒は、犬くらいの大きさの生き物なら命を落としてしまうほど強力なのです。

人間でもこの爪にやられれば、患部は大きく腫れて激痛が走り、しばらくは歩けないほどだと言います。

 

見た目はなんだかボケーっとした間抜けな感じですが、なめてかかってはいけませんね。

ちなみに、メスは成長過程で爪がなくなるため、危険はありません。

日本にもいる哺乳類「トガリネズミ」

トガリネズミは日本にも生息している生き物ですが、毒を持つのは北米に生息しているブラリナトガリネズミという種類。

彼らの唾液には毒が含まれており、獲物に注入して麻痺をさせる働きがあります。

 

 

自分よりも大きな獲物を捕らえることができるそうですが、人間への影響ははっきりとはわかりませんでした。

名前に「ネズミ」とついているものの、ネズミの仲間ではなくモグラに近い生き物です。

モグラも餌となるミミズを神経毒で麻痺させて貯蓄しておく習性があるので、トガリネズミが毒を持っているのも納得ですね。

原始的な哺乳類「ソレノドン」

名前だけ聞くと恐竜みたいですが、ソレノドンはれっきとした哺乳類で、トガリネズミの仲間です。

彼らも唾液に毒を含んでおり、獲物に噛みついて麻痺させ、動けなくしてから捕食します。

 

しかし自分の天敵にである他の哺乳類(犬や猫など)に対しては効果が無く、その生息数は激減。

非常に稀少な生き物となってしまいました。

サルなのに毒を持つ哺乳類「スローロリス」

よくリスの仲間だと勘違いされるのですが、リスではなく「スロー・ロリス」というサルです。

彼らは脇の下から出る分泌物と唾液を混ぜることで毒を作り出し、それを全身に塗って身を守ります。

目的なその毒性よりも「強い臭い」。

この毒は強い臭いを発するので、それによって身を守っているそうなのですが…。

じつは口からこの成分を摂取しても、全くの無害。

というわけで、臭いなど気にしない生き物には、簡単に捕食されてしまうそうです。

 

また、スローロリスは意外なことにペットとしても人気!

スローロリスの毒は唾液だけでも脇の分泌液だけでも効果はありませんし、直接噛まれて体内に注入されない限りは無害です。

ペットとして販売されているスローロリスはあらかじめ犬歯が抜かれているものがほとんどなので、人間が毒によって被害を受ける心配はなさそうです。

食べると危険な「ホッキョクグマ」

ホッキョクグマと言えば、陸上では最大の肉食哺乳類であり、生態系の頂点に立つ生き物です。

毒があるという話は聞いたことがないですが、一体どういうことなのでしょうか。

 

じつは、ホッキョクグマの肝臓には高濃度のビタミンA含まれています。

ビタミンAって体に良いのでは?と思われるかもしれませんが、過剰に摂取すると中毒症状を起こしてしまうのです。

 

酷い場合は死に至ることもあるので、決して侮れませんね。

死してなお殺傷能力を持っているなんて、強すぎです…。

外敵から身を守るために意図的に作り出したものとはまた違いますが、これもれっきとした「毒」ですね。

毒を持つ哺乳類についてのまとめ

やはり哺乳類で毒を持っている生き物というのは、とても少数です。

哺乳類の場合は他の毒をもつ生物に比べると体のつくりが複雑ですし、毒以外の防御・攻撃方法に特化する方が得策だったのかもしれませんね。

(ホッキョクグマは意図的な毒ではないですが。)

(ライター もんぷち)