日本の妖怪である「雷獣」

この雷獣のモデルは「ハクビシン」ではないのかというウワサが流れています。

雷獣の生態や雷獣の伝説、そして、雷獣のモデルはハクビシンなのかどうかについて詳しく調べていきたいと思います。

雷獣とは?

「雷獣(らいじゅう)」とは、日本の妖怪で落雷とともに現れるといわれています。

天気が悪いときに、雲に乗って現れて、雷が鳴るたびに飛び回る妖怪です。

 

日本各地に様々な伝説が残されています。

江戸時代の書物にもたくさん名が見られ、描かれています。

江戸時代には雷獣の知名度がとても高く、たくさんの説があります。

雷獣の特徴

雷獣の特徴は体長が2尺ぐらい。(60センチぐらい)

しっぽが7.8寸。(21~24センチぐらい)

 

見た目は子犬やタヌキに似ている。

鋭い爪を持っていて、木に登ることができます。

雷獣の姿

江戸時代の”北窻瑣談”では、雷獣はイタチより大きなネズミみたいで、4本脚があり、爪がとても鋭いと書かれています。

自然に開いた山の穴から雷獣が首を出していて、雲に飛び移るときに雷が鳴るとされています。

 

江戸時代の辞書”和訓栞”には、灰色の子犬のような獣、頭が長い、鷲のように鋭い爪、キツネよりも太いしっぽを持っていたと書かれています。

天保時代の”駿国雑誌”には、全長が2尺で、イタチやネコのような感じ、全身は薄赤く黒味のある体毛で、頭の毛は長く、栗色の毛が混じっていて、真黒の班がある。

 

目は円形、耳は小さい、爪は鋭く、しっぽは長いと書かれています。

雨の日に空を飛び、堕落する時は木を裂き、人を害したとも書かれています。

 

“古史伝”では、秋田にいた雷獣はタヌキぐらいの大きさで、タヌキよりも長くて黒い体毛だったと書かれています。

“玄同放言”曲亭馬琴の著書では、オオカミのような体型で、前脚は2本、後脚は4本、尻尾が二股に分かれている姿で描かれています。

雷獣はハクビシンがモデルなの?

色々な古典に記録されている雷獣の大きさや見た目、鋭い爪などがハクビシンと同じです。

また、木に登ったり、木を引っかいたりすることも共通しています。

 

江戸で見世物にされていた雷獣もハクビシンに似ています。

ハクビシンは東南アジアや中国が原産ではないかといわれています。

 

江戸時代に渡来したハクビシンの数は少なくて確認されておらず、ましてはハクビシンという名前すらなく、ハクビシンが雷獣とみなされていたのではないかと言われています。

江戸時代の書物に描かれたいる雷獣をハクビシンだと指摘する専門家もいるんですよ。

 

雷獣はハクビシンがモデルだったのかもしれませんね。

もしくは、雷獣はハクビシンだったのかもしれません。

ハクビシンとテンの違い

雷獣のモデルはハクビシンではなく、テンではないかという説もあります。

ハクビシンとテンの違いですが、ハクビシンの体長は60cm前後で体重が3キロぐらいです。

 

木登りが得意で、電線を渡ったりします。

低地に生息していて、民家の屋根裏に棲み付いたりもします。

 

テンの体長は20~30センチぐらいです。

森林に生息します。

大きさや生息場所などから考えると、ハクビジンのほうが雷獣に似ているのです。

雷獣のモデルはハクビシンなのかどうかについて まとめ

雷獣のモデルはハクビシンなのかどうかについて詳しく調査してきましたが、いかがでしたでしょうか?

雷獣の特徴とハクビシンの特徴は共通するところが多く、とても似ていますね。

 

江戸時代にハクビシンの数が少なかったので、雷獣と見間違えられていたのではないかと言われています。

絶対と確定はできませんが、雷獣のモデルはハクビシンだったのかもしれません・・・いや、雷獣はハクビシンなのかも。

(ライター 雲呑)