クレオパトラが愛用していたという説のあるドクターフィッシュ。

美容や健康効果のあるドクターフィッシュは実は飼育することも出来ます。

そんな時、餌は一体何がいいのでしょう。

ドクターフィッシュの生態

ドクターフィッシュは西アジアの河川などに生息しているコイの仲間で、ガル・ルファという種類の魚です。

体長は10㎝ほどの淡水魚で、エサを探すときは活発に活動しますが、それ以外の時は石の上や陰でじっとしている習性があります。

 

雑食で、歯がなく、吸盤があるので石や川の底にいる微生物や昆虫を舐めるように食べます。

幼魚の頃は群れで生活しますが、成長するとオスは縄張りを持つようになり、攻撃的になり、単独で行動します。

 

水草や苔の上を産卵場所とし、2~3㎜程度の卵を産み、稚魚は5㎜程度。

孵化するまでの期間は水温により違いがありますが、25度前後の水温では3~5日ほどだそうです。

 

寿命は7年ほどと言われています。

水温や水質の変化に強く、トルコの37℃の温泉下でも生きていくことが出来ます。

ドクターフィッシュの名前の由来

ガル・ルファという立派な名前がありながら、なぜドクターフィッシュという名前がついているかというと、ガル・ルファは人間の古い角質を吸盤で食べることで、人の肌を適度に刺激して神経を活性化させ、血のめぐりを良くすることができ、このようなガル・ルファの行為はアトピー性皮膚炎などにも効果があると言われています。

ちっちゃな魚という精神的なセラピー要素も相まって、まるで「お医者さんのような存在」ということから「ドクターフィッシュ」と呼ばれるようになったという訳なのです

ドクターフィッシュの進化!?の過程

ドクターフィッシュはもともと河川と温泉などが湧き出る場所を行き来する魚でした。

それが、開発により河川と温泉の湧き出る場所が分断され、それぞれが独自に進化しているのではないかと言われています。

 

温泉の湧き出る場所にはドクターフィッシュのエサになるような微生物はあまりおらず、常にエサ不足。

そこに、温泉に足を入れる習慣のあるトルコ人たちの足湯の足の皮膚の古い角質がドクターフィッシュのご馳走になるというわけです。

 

これは、ドクターフィッシュにとっては、ステーキ並みのご馳走なのだそう。

淡水にいるドクターフィッシュはエサが豊富にあるため、人間が足を入れても角質を食べたりはしないのだそうです。

ドクターフィッシュと人間の関わり

日本では先述したとおり、癒しの魚としての役割がありますが、諸外国ではどうでしょうか?

トルコやドイツではドクターフィッシュが神経を刺激する行為が正式な医療行為として認められています。

 

しかし、一方アメリカやアブダビなどでは感染症などの恐れからドクターフィッシュの利用は禁止されているのだそうです。

イギリスにおいても、衛生面での指導が厳しく行われているようです。

ドクターフィッシュの飼育

ドクターフィッシュは熱帯魚などを飼う設備があれば、簡単に飼うことが出来ますが、小さくとも60㎝サイズの水槽は必要です。

温度は28~32℃に設定し、PHは若干アルカリよりの7.0くらいにします。

水が汚れるのを嫌うため、一日最高でも2回ほどのエサやりと一週間に一度の水槽掃除は必須。

 

40匹ほどで5000円で購入することが出来ます。

初めて飼う人は便利な飼育セットなども5~6万円ほどで購入できるそうですよ。

ドクターフィッシュの餌

ドクターフィッシュは雑食性なので、水槽についた水苔などを食べます。

しかし、それだけでは足りないので市販の熱帯魚の餌を与えるのが適当。

 

1~2日に1回ほどの頻度で1~2分で食べつくす量を与えるのが適切。

食べさせすぎは禁物で、元気がなくなると泳ぎが遅くなったり、水槽の底で動かなくなることもあります。弱ってしまうと共食いも起こりますので注意が必要です。

ドクターフィッシュが人間の皮膚を食べるのは飢餓状態になった時だそうで、ピーリングさせたい時は数日前から絶食させる必要があるようです。

(ライター ナオ)