「あそこに鳥のつがいがいる」と言ったような使われ方をよくする、「つがい」という言葉。

なんとなくペアとか2つで一つみたいなイメージはあるのですが、人間に対して「男女のつがい」などという言い方はしませんよね。

 

「つがいのマグカップ」とか。

つがいという言葉はどういった場面で使うものなのか、具体的な使用例も挙げながら見ていきたいと思います。

「つがい」って漢字でどう書くの?

「つがい」という言葉は「二つ以上のものが組み合わさる」という意味の、「つがう」という言葉からきている名詞です。

漢字で書くと「番」。

普段使う時は「順番」など「ばん」という読みで使うことが多いですよね。

 

一体なぜ、「つがい」という言葉に「番」という感じが使われているのでしょうか。

その理由を知るためにはまず、「番」という漢字の成り立ちを知っておかなければなりません。

番は「釆」と「田」が合わさってできている漢字です。

 

「釆」は種をまく様子を、「田」は土を表しており、つまりは種と土とがつながるということ。

そこでつがいという言葉に、「番」という漢字が使われるようになったのでは、と言われているのです。

漢字の成り立ちや部首の意味一つ一つを紐解くことで、より言葉の理解を深めることができますね。

どんな時に使う?「つがい」の使用例

「つがい」という単語一つには、単にペアという意味だけではなく、様々な意味が含まれています。

一つ一つの意味と、それぞれの使い方を見ていきましょう。

動物のオスとメスの一組

最もよく使われるパターンですね。

基本的には動物に向けて(特に鳥に対して)使うので、人間に対して使われることはありません。

 

一時的なペアというよりも「夫婦」という意味合いに寄っている言葉だと思うので、一夫一妻制がベースとなっている鳥に使われることが多いのかもしれませんね。

使用例「鳥のつがい」

二つが組み合わさって一組になること

私たちの身近にも、道具やパーツの名前として使われていることが多くあります。

使用例「蝶番」

交尾すること

動物が交尾することを「つがい合う」と表現することがあります。

なんとなく、「交尾」という言葉を使うよりも愛情がこもっている感じがしません?

使用例:「犬がつがい合っている」

二つのものが組み合わさっている場所

いわゆる「繋ぎ目」のことを「番い目」と呼ぶこともあります。

また、骨と骨の組み合う「関節」のことを「番い目」と呼ぶことも。

使用例「柱の番い目」

同性同士のつがいも存在する?

基本的に、つがいという言葉はオスメスのペアに対して使われる言葉です。

しかし、動物の中には同性同士で「つがい」となってしまうものもいるという…。

 

例えば、羊は全体の約8%ものオスが、同性同士でくっつくのだと言います。

百獣の王ライオンすらも、オスだけでグループを作りオス同士で愛情表現をし合っていることもあるのだとか。

オス同士で子育てをするわけでもないので、一体何のために同性同士でペアとなるのかは謎ですね。

 

ただ、ペンギンなんかはオス2匹+メス1匹のグループで子育てをしたり、オス同士のペアが他のペンギンの卵を横取りして育てようとしたりすることもあるそうです。

また逆に、メス同士でカップルとなる生き物たちもいます。

アホウドリやカモメの一部の種は、メス同士でペアを組んで生活する姿が見られると言います。

 

お互いにどこかでオスと交尾した後にメス同士のペアになり、卵を産み育てることもあるんだとか。

一夫多妻制の動物ではオス同士のペアが、一夫一妻制の動物ではメスのペアが増える傾向にあるそうです。

このことからも同性同士のつがいは恐らく嗜好性の問題ではなく、何か一定のメカニズムが関係しているような気がしますね。

つがいについてのまとめ

一つの言葉に込められた、様々な意味や歴史。

それを理解することで、言葉の使い方やニュアンスがハッキリとわかってきますね。

漢字を覚える際には単に丸暗記するのではなく、それに紐づく雑学も一緒に取り入れていくのが確実かもしれませんね。

(ライター もんぷち)