プーバランと名前のエビを知っていますか?
実は名前を聞いたことがなくても、一度は目にしたことがあるエビ。
超有名なあの製品に入っている、そう、あのエビのことなんです!
プーバランの特徴と生態
プーバランは十脚目クルマエビ科に分類されるエビの一種です。
インド太平洋に分布するエビで、食用として広く流通しています。
日本では日清カップヌードルの具材のエビとして知られています。
インド西岸部、マレーシア、フィリピン、インドネシア等のインド太平洋の熱帯・温帯海域に分布しています。
成体の全長は最大でも125㎜程。
クルマエビやどの近縁種よりも小さく、上縁だけに8または9つの歯があります。
表面はビロード状の細かい毛でまだらに覆われ、生きている個体は半透明の殻に甲皮と腹部を中心に赤色の小斑点があります。
インドの水域では成体は水深37m以浅の泥底に生息していて、稚エビは河口域や川に生息します。
日本での利用
日本では主にむきエビに加工されて流通しています。
茹でると実は緋色がかかった橙色になり、色鮮やかです。
フリーズドライ加工をしても味や色が損なわれず、トラックによる長距離運動時の衝撃で藻崩れない程度の強度を維持できるので、インスタント食品やピラフ、エビシュウマイなどに使われています。
また、飲食店でも使われることが多いのですが、プーバランという名前で市販されることはあまりないようです。
カップヌードルとプーバラン
カップヌードルは開発当時、彩りが良く、高級感があるプーバランを世界中の2500種類のエビの中から選びました。
1972年当時プーバランは乾燥小エビとしては最高級で、1kgあたり4500円程もしたそうです。
当時、日清の社長だった安藤百福が日本人はエビが大好きだから、エビが入れば必ず売れる!と発案したのだそうです。
黄色い卵焼きと茶色い肉、それに加えて赤いエビが入ることでカップヌードルは絶大な人気を得たというわけ。
以外にこのエビの名前を知らない人も多く、これほど多くのエビの中から選ばれたエリートだということを知っている人も少ないかもしれませんね。
ちなみにこのエビ、カップヌードル製品の中には6~14匹が入っているのだそうですが、随分と開きがあります。
14匹なんて入っているカップヌードルを食べた人は超ラッキー!ですね。
日本人とエビ
日本人にとってエビは縁起の良い食べ物の一つとされてきました。
日本人は概してエビが大好き!一人当たりのエビの消費量も年間100匹を超えると言われていた時代もあります。
しかし、その食べ方となると意外にレパートリーが少なく、天ぷらかエビフライと言った揚げ物がほとんど。
諸外国のように蒸して食べたり、炒めて食べるといった文化はあまり発達していません。
大好きな食材の一つでありながら、食べ方に関してはとても貧しいというのが特徴的なのです。
近年は核家族化が進み、共働きや健康志向から揚げものを家庭で行う機会がめっきり減り、更に家庭でエビを調理して食べる機会は減っていると言われています。
エビの輸入量に関しても加工品が増えているのだとか。
東南アジアの養殖業者の主力だったブラックタイガーが後にバナメイエビに代わるのと同時に、日本での主力も変化し、現在スーパー等ではバナメイエビを多く見かけるようになっています。
ブラックタイガーに比べ、丈夫で養殖しやすいという点や、早く生長する点などがその理由なのだそうです。
まとめ
エビに限らず、甲殻類は茹でたてよりも茹でて冷めた瞬間が一番甘みがのって美味しいってご存知でしたか?
皆さんもぜひ美味しい食べ方を知って、どんどんエビを食べてみて下さいね。
また、カップヌードルを食べる時は、重要な脇役を果たしているプーバランの存在にもぜひご注目を!
(ライター ナオ)