海の危険生物「ヒョウモンダコ」。

その猛毒は人の命を簡単に奪ってしまえるほどの強さ…。

絶対に海では出会いたくない生き物ですね。

 

しかしその一方で、他のタコにはない派手な模様がとても美しく、観賞用として飼ってみたいという人もいるでしょう。

そこで今回は、ヒョウモンダコはペットとして飼育できるのか?という疑問についてまとめていきたいと思います。

ヒョウモンダコは飼育できる?

ヒョウモンダコは唾液にテトロドトキシンという猛毒を含み、噛まれると呼吸困難などの症状を引き起こして最悪の場合は命を落とすこともあるほど危険な生き物です。

そんなヒョウモンダコですが、大きさは10cm程と小さく、見た目も派手な柄が美しい…。

となれば、ペットとして飼育したいという人がいても不思議ではありません。

意外にもそんな危険生物を飼育したいという物好きは一定数いるようで、海水魚専門のショップやネット通販などで売られていることがあります。

(確かに見た目は、小さくてとても可愛い。)

 

しかも値段も2000円~4000円程と思ったよりもリーズナブル。

また、陸棲の危険生物(毒ヘビなど)であれば、飼育には許可や届け出が必要ですが、ヒョウモンダコの場合は必要ありません。

タコはヘビなどと違って、基本的に水中でしか生きられませんからね。

 

脱走したとしても、周りに被害が及ぶことがないので届け出などはいらないということなのでしょうか。

しかしこんな危険生物が、お手軽に手に入るというのも少し怖い気がしますが…。

(良からぬことに使おう…なんて考えてはいけませんよ!)

 

本来は沖縄など暖かい地域に生息していたヒョウモンダコですが、温暖化の影響で全国的に姿が確認されるようになりました。

そのため、海で見かけたヒョウモンダコを「よっしゃ、これ飼ってみよう!」と思う人もいるかもしれません。

 

しかし、野生個体の捕獲はあまりおすすめできません。

なぜって…それは超危険だからです。

 

ヒョウモンダコは攻撃性が強い上に、水中では完全に彼らのほうが有利。

下手に手を出して噛まれると命に関わるので、飼育したいならば潔くショップで購入するのがいいでしょう。

ヒョウモンダコの飼育で気を付けること

ヒョウモンダコは、意外にもお手軽に飼い始められるということが分かりましたね。

しかし、飼育自体はそうお手軽ではありません!

 

ペットとして飼育できるとは言っても、猛毒を持つ危険生物だということは忘れてはいけません。

飼育の際には、気を付けなければならないことがいくつかあります。

絶対に触らない

ヒョウモンダコは攻撃性が強いので、触ると高確率で噛まれます。

歯が鋭く噛む力も強いので、例えゴム手袋などをしていても触るのは危険です。

 

掃除などで水槽から出す時も決して手では触らず、網を使うようにしましょう。

家族や家を訪ねてくる人にも、絶対に触らないように徹底して注意しておいてください。

脱走に注意

タコは脱走の名人と言われていますが、ヒョウモンダコも例外ではありません。

ヒョウモンダコは毒がある分、吸盤の力は弱いと言われていますが、それでも脱走する可能性はあります。

水槽には蓋をしたりネットをかけたりと言った脱走対策をしっかりと施しましょう。

他の生き物と混泳はさせない

他の生き物と混泳させると、餌と認識して食べてしまうことがあります。

ヒョウモンダコより大きな魚でも、毒でやられたり、逆に食べられてしまう可能性も。

同種であっても飼育下では共食いをするので、基本的には単独飼育が鉄則です。

食用にはしない

初めから食用目的で購入したり、途中で飼育に飽きて食べてみよう…なんて考えている人がいたら、絶対にやめてください。

ヒョウモンダコは毒を含む部分さえ取り除けば、食用とすることは可能ですが…。

 

味は他のタコと変わらない上に、万が一毒の取り残しがあれば命に関わります。

命を懸けてもいいほどヒョウモンダコが食べたい!というのならもう仕方ないです…しかしそうでないのなら、絶対に食べるのはやめましょう。

ヒョウモンダコの飼育についてのまとめ

ヒョウモンダコがあんなに派手な柄をしているのは、捕食者への警告色です。

それを「美しい」なんて思うのは、人間くらいなんじゃないでしょうか。

 

そういった意味では、人間は完全に野生を忘れ自然に対して無防備になっているような気がします。

もしヒョウモンダコを飼育するのなら、猛毒を持つ超危険生物だということを決して忘れないようにしてくださいね。

(ライター もんぷち)