オニイソメという巨大なイソメをご存知でしょうか。
同じイソメでも私たちが知っているあの、大人しいアオイソメとは比較にならないほどの生態を持ったオニイソメについて詳しくお話ししてきます。
オニイソメの特徴と生態
オニイソメはイソメ目イソメ科に分類される海底に生息する多毛類です。
インド洋から太平洋屋大西洋を含む世界中の暖かい海で見られます。
海底の土に長い体を隠して5本の触覚に外部の刺激が届くのを辛抱強く待ち、獲物を感知すると攻撃します。
鋭い歯を持っていて、雑食性。獲物が半分に切断されることがあるほどの速度で攻撃するという凶暴さが有名です。
その凄まじさは見るに堪えないほど。
どうしたら、この生きものがこんなに豹変できるのかと驚いてしまいます。
分かっていないことも多いオニイソメですが生殖はおそらく体長が100㎜程度の食段階で起こると考えられています。
また、オニイソメは成長すると3m近くの大きさになることもあり、100㎜程度での生殖は早い方だと言えます。
成長した姿はまるで巨大なゴカイ。
オニイソメの天敵は大型のハタ科の魚か攻撃性の非常に対良いモンガラカワハギ科の魚ではないかと言われています。
日本では和歌山県の白浜待ちで3mのオニイソメが捕獲されたことがあり、港に浮かべられていた筏の発砲スチロール製のウキの中に潜んでいたのだそうです。
水族館で発見されたオニイソメ
2009年にイングランドのニューキーにあるブルーリーフ水族館の水槽の中でオニイソメが発見されました。
オニイソメは他の魚たちに怪我を負わせたり、珊瑚を半分に切断したりをしていたとみられ、飼育員はこれに長い間気づかなかったのだそう。
オニイソメは普段は砂の中に隠れていて、深夜人間の見ていないところで顔だけ出して捕食活動をしていたのだろうと推測されています。
オニイソメVSミノカサゴ
ミノカサゴと言えば綺麗な模様をしている戦闘力もなかなかのカサゴ目フサカサゴ科の海水魚。
日本では北海道の南部以南の沿岸部に生息しています。
背ビレに毒を持ち、腹ビレの間には鋭い剣を持っています。
光線的で人間にすら向かってくることもあるというこのミノカサゴですが、やっぱりオニイソメにはかなわないのです。
イソメ目の生き物
イソメ目に分類されるものはノリコイソメ科、イソメ科、ハートマンイソメ科、サカナヤドリゴカイ科、ギボシイソメ科、セグロイソメ科、ナナテイソメ科の7科に分類されます。
そのうちの多くが粘液の鞘から丈夫な角製の鞘までの様々な感情の巣で生活しています。
口肢は球状や円筒状で、0~7本の触角を持っていて、筋肉の発達した咽頭は背面に1対の下あご、前面に歯の生えた上顎を備えています。
いくつかの種では触角毛を持ち、すべての種が分岐のない足を持っていて、中には鰓や剛毛を持つ種類もいます。
釣り餌のアオイソメ
イソメの仲間で私たちの最も身近な存在のものはアオイソメ。
日本各地の釣具店で手に入れることが出来る釣り餌です。
アオイソメが日本に普及したのは今から40年程前だと言われています。
それまで、釣り餌と言えばミズゴカイや三陸のエラコが主流でしたが、安定した供給量と価格の安さでその地位をとってかわりました。
多量のイソメをエサとして使うトウホク太平洋側一帯は全国でも有数のアオイソメ消費地です。
アオイソメの産卵期は初夏、この時期には気温が高くアオイソメ自体がとても弱りやすいのだとか。
オニイソメのまとめ
オニイソメは一見大人しそうな巨大なゴカイだが、一旦獲物を捕まえると自分よりも巨大な生物を簡単に引きちぎったり、かみ砕いたりして捕食する。
体長は大きいもので3mにもなる。
(ライター ナオ)