バジェットガエルという名前のカエルを聞いたことがありますか?
別名をマルメタピオカガエルともいう、このカエルは、爬虫類マニアから絶大の人気を誇るカエルです。
彼らの生態と飼育の方法について詳しくご紹介します。
バジェットガエルの特徴
バジェットガエルは標高200m以下のアルゼンチンやパラグアイなどのチャコ帯の泥や干潟に生息しています。
体長は11~12㎝。
和名のマルメタピオカガエルの名前の通り、円い目玉が印象的で、まるでタピオカのような食感!!??(だろうということを想像させます)
丸っこい感じも確かに大きなタピオカ!!
タピオカ属の中では最大種で、全体は緑がかかった灰色、腹は白くてオレンジ色の斑点があります。
オスは喉の部分が真っ黒で、サイズはメスの2分の1ほど。
頭が体全体の3分の1を占めています。口は顔全体に広がるように大きく、上あごにはこう見えて歯があり、下あごにも2本の牙が生えています。
バジェットガエルの生態
バジェットガエルは乾燥に弱く、現地では乾季になると泥で繭を作ってその中で休眠に入ります。
エサは昆虫や甲殻類、魚や両生類を食べますが、その捕獲方法も何ともユニーク。
水中に身を沈め、特徴的な丸い目だけを水上に出して獲物を待ち構えます。
水槽などで飼うと、この光景が全部見え、何とも言えない景色です。
メスは一度に2000個程の卵を産卵しますが、この時期に多くのマルメタピオカガエルのオタマジャクシは共食いを行います。一か月で4~5㎝ほどの亜成体にまで成長しますが、この時期にかなりの個体数が減ると考えて良さそうです。
オタマジャクシの顔はこれまたユニーク。
オタマジャクシの頃から成体のユニークな雰囲気の片鱗が見え隠れしていて、丸い目玉はオタマジャクシの頃も健在です。
まるでヒラメのような顔つきで、顔の部分は三角形をしています。成体とオタマジャクシを並べてみたら、なるほどまさに「カエルの子はカエル」といった感じです。
バジェットガエルの飼育
バジェットガエルはネットなどで5,000円ほどで販売しています。
通常のカエルと違い、陸地は必要なく、完全に熱帯魚などを飼う水槽と同じ。
ただ、注意が必要なのは水の量。
だいたいマルメタピオカガエルの脚がついて、目がちょうど出るくらいの水深にしてあげるのが良いようです。
温度は22~28℃に設定。水はきれいに毎日でも変えてあげた方が良いです。
もちろん水は中和水を利用し、水槽の壁などのぬめりもしっかりととってあげましょう。
水槽内を綺麗に飾って飼いたいのは分かりますが、マルメタピオカガエルの場合は余計な水草や装飾品などはいらないようです。
それらは、パジェットガエルにとってかなりのストレスになってしまうのだとか・・・・
それよりも水槽内の清潔が大事なカエルです。
エサはメダカやコオロギ、ピンクマウスなどですが、与えすぎは禁物です。太らせすぎてしまうと、常に威嚇状態のように膨れ上がってしまいますし、何より健康にも良くない。マウスなら一週間に一匹程度の量で充分です。
飼育して見られるバジェットガエルの威嚇行動
パジェットガエルを飼育した場合の醍醐味は彼らの威嚇行動。
相手を威嚇する時に、風船のようにぷ~~~~っと膨らみ、更に穏やかな風貌の中に密かに隠していた歯で噛みつきます。
この時に鳴き声を発したりもするのですが、その声もカエルとは思えない「だみ声!!??」
ゼンマイ仕掛けのオモチャが動いているのか、はたまた喉の調子の悪いヤギが鳴いているのか・・・といった具合。初めて聞く人なら到底カエルの鳴き声とは思えないはず。
そんな意外な一面が見られるのが飼育の醍醐味です。
また、水面から目だけを出して、こちらの様子を伺っているのも結構笑えます。
一体、人間の様子を伺って何をしようとしているのだか・・・・・
興味がわいた方はぜひ、飼育してみて下さい。
(ライター ナオ)