まるでウシのような声で鳴くウシガエルを見たことがありますか?
このウシガエルのオタマジャクシは普通のオタマジャクシとは大きさが違うんです!
今回はウシガエルとウシガエルのオタマジャクシの特徴についてお話しします。
ウシガエルの特徴と生態
ウシガエルは無尾目アカガエル科アメリカアカガエル属に分類されるカエルで、外来種。
生態系を破壊し、在来種の生存を脅かす危険な存在です。
アメリカ合衆国東部・中部・カナダ南東部・メキシコ北東部に自然分布し、日本では北海道、本州、四国、九州、南西諸島に外来種として定着しています。
体長は11~18㎝、体重は500~600gjpdpで頭部の幅は頭長よりも長く、後肢の水掻きは非常に発達しています。
オスの背面は暗緑色で淡黒色の斑紋がまばらにあります。
メスの背面は褐色で、斑紋がオスよりも多く、雌雄ともに腹面は白いがオスでは喉の部分が少々黄色みがかっています。
鼓膜はオスで眼径の1.3~1.7倍、雌で0.9~1.2倍。鼓膜は非常に大きく、雌でも眼の直径にほぼ等しくオスではその倍近くあります。
水草の繁茂する流れの緩やかな河川、池沼、湖、湿地などに生息する夜行性で強い警戒心によって日中も暗所を好むのでしばしばアシの茂み、岸辺のオーバーハング、土管などに沈み、水中から目鼻のみ出しています。
外敵が近づくと跳躍して逃げ、夜間は上陸したり継続的に鳴くなど活動がより活発になります。
鳴き声は「ブオー ブオー」というウシに似たもので、数㎞離れていても聞こえることもあり、騒音として問題になることもあります。
また、「ニャー」と鳴く個体も見られます。
食性は肉食性で水中、水面、陸上、いずれでも捕食行動を行い、昆虫類、甲殻類などの節足動物、更に魚類、両生類、小型爬虫類、鳥類、小型哺乳類、更には共食いまであらゆる口に入る動物が捕食対象となります。
日本においてはカマキリやバッタ、トンボなどをよく捕食し、水面に落下して動けなくなった昆虫などもエサとなるので、死骸でも目の間に落ちてくるものを摂食します。
ウシガエルのオタマジャクシ
繁殖様式は卵生で5~9月上旬に4,000~600,000個の水面に浮かぶ卵を産みます。
日本では5~9月に寒天質に包まれた6,000~400,000個の卵を産み、幼生の状態で越冬します。
体長は6㎝くらいですが、成長すると12~15㎝程になります。
翌春変態して幼体になると、幼体は水場をつたい、他の水場へと移動します。
幼生の時は植物食です。
人間とウシガエルの関係
ウシガエルは古くから食用とされてきました。
皮を向いた後ろ足が主に食べられ、世界各地で養殖されています。
日本には1918年に東京帝国大学の教授であった動物学者の渡瀬庄三郎が食用としてアメリカ合衆国から十数匹を導入し、その後1950年~1970年にかけて輸出用として年間数百トンのウシガエルが生産されていたと言われています。
この時、ウシガエルの餌としてアメリカザリガニが養殖用の餌として輸入されました。
味は鶏肉のささ身に似ていると言われ、肉には油がほとんどないので炒め物やフライとして食べることが多いのですが、日本では現在ゲテモノ料理に分類されていて、飲食店などでも見かけることはほとんどありません。
一部ではオタマジャクシを寿司ネタとするところもあるようです。
日本ではかつて食用として養殖された個体が逃げ出して定着したものが繁殖を続けており、2005年12月に特定外来生物に指定され、養殖、保管、運搬、放出、輸入などが規制されました。
2015年には環境省の生態系被害防止外来種リストの中では重点対策外来種に指定されています。
よって、現在では生きた状態でのウシガエルの移動や飼育は禁止されています。
(ライター ナオ)