厄介で忌み嫌われているゴキブリ。

そんなゴキブリに漢字の表記があることをご存知ですか?

ゴキブリのちょっと意外な漢字の秘密をご紹介。

ゴキブリの特徴と生態

ゴキブリは世界に4000種類、日本では南日本を中心に50種類が生息しています。

全世界のゴキブリの数は1兆4853億匹で、そのうちの1.58%にあたる、236億匹が日本に生息しているのだそう・・聞いただけで途方に暮れてしまいます。

ゴキブリは3億8000年も前から地球上にいる大先輩!!??にも関わらずここまで忌み嫌われる存在になってしまったのは、もともと森林で暮らしていたゴキブリが、楽をしようと人間の暮らしの中に侵入してきたから・・・。

どこそこ構わず、トイレでも台所でも下水道でも排水溝でも、とにかく節操なくあちこち歩き回る習性が私たち人間には許せないわけです。

 

ゴキブリは雑食性で、動物性のものから植物性のもの、もちろん腐敗したものも大好物。そして極めつけは水のあるところも大好き。

卵から幼虫、そして成虫へと不完全変態するゴキブリは5~7回の脱皮を経て成虫になります。

 

しかし、中には1~2年かけて成虫になるものもいて、種類によって成長の過程は様々。

日本の家の中に出てくるゴキブリはおおむね10~40㎜サイズのものが多く、その種類はチャバネゴキブリやヤマトゴキブリ、クロゴキブリと言われるもの。

 

このうちチャバネゴキブリはものすごい速さで成長します。つまり繁殖力が半端ないということ。

ただ、寒さに弱く、人前にあまり出てこないのでオフィスビルなどの一年中暖かい場所の隠れたところで生きています。

 

チャバネゴキブリは卵が孵化するまで15~30日、幼虫期間はたったの2か月ほどで成虫になって、2~3か月ほど生きます。この間に産卵をしますが、一回の産卵で18~50個、一年では3~7回の産卵をするというのだから、そのサイクルの速さと増えていくゴキブリのスピードを思うと吐き気がしてきます。

一方、クロゴキブリは寒さに強く、木造の日本家屋やコンクリートのアパートなどに生息し、人前に出てきやすいタイプのゴキブリです。

 

孵化するまで2か月、幼虫期間は約1年、寿命は1年半ほど。産卵は1年で20~30回行い、その数は30個ほど。

どちらにしても短めのサイクルでゴキブリたちは繁殖していくわけです。

ゴキブリの名前と漢字表記

ゴキブリはもともと「ごきかぶり」と言われていました。

「ごきかぶり」は漢字で書くと「御器噛り」で、御器とは食物を盛るためのお椀のことで、噛りはかぶりつくなどの意味があります。

つまり、漢字からも分かるように、ゴキブリは残飯だけでなくお椀までも齧ってしまうことから、この名前がつけられたのです。

 

そして、ゴキカブリからゴキブリへの変化は自然に行われたわけではなく、誤ってつけられた振り仮名がそのまま名前になったということなのです。

また、ゴキブリは古くは芥虫(アクタムシ)や角虫(ツノムシ)ともいわれていました。「あくた」はごみを意味する芥からきていて、角虫の角は触覚からいみしていたとか、クワガタやカブトムシと混同されていたとかの説があるようです。

 

現在のゴキブリの漢字の表記は「蜚蠊」。蜚は訓読みでは「あぶらむし」や「とぶ」の意味があり、ゴキブリの場合は飛ぶことを意味すると言われています。一般的に鳥がとぶ場合には「飛ぶ」の漢字をあて、虫などがとぶときには「蜚」の漢字をあてます。

 

蠊については、明確な記述が見つからず、不明。

いずれにしても、私たちの生活にとても身近なゴキブリという生き物は、存在にしても、漢字の表記にしても、人間にとっては特別な存在!?ということなのかもしれません。

(ライター ナオ)