3億年以上も前からこの世に生息して、その姿をほとんど変えていないと言われるゴキブリ。
嫌われても嫌われても、そんなことものともせずに人間の側で生き続ける種類もいます。
中には最近の殺虫剤に耐性を持ったものまでいるとか!!??
そんなゴキブリに、脳みそが沢山あるという噂が・・・・・
ゴキブリにまつわる絶えない都市伝説の謎に迫ります。
ゴキブリの基礎知識
ゴキブリは昆虫綱ゴキブリ目に分類されます。
熱帯を中心に世界には約4000種が分布しており、そのうち日本には南日本を中心に50種余りが生息していると言われています。
繁殖力が高く、世界のゴキブリの総数は約1兆4853億匹、日本には236億匹が生息するものと推定されています。
もともと和名の由来は「御器を齧る」ところからきていると言われ、ゴキカブリと呼ばれていたのですが、振り仮名をつける時にカが抜けてしまい、ゴキブリになったのだとか…地方の方言で葉未だにゴッカブイやボッカブリなどの表現が残っていると言われています。
体長は最小の種で10㎜程度、最大種では100㎜にも達しますが、住居に出没する種類は10~40㎜程度です。
ちなみに最大種は南米に生息していてるナンベイオオチャバネゴキブリで体長110㎜、開長は200㎜にも達します。
日本産の最大種は石垣島、西表島に生息し、体長50㎜のヤエヤママダラゴキブリ。
一部の例外を除き、多くの種は全身が上から押しつぶされたような扁平な体形をしています。
卵、幼虫、成虫という段階を踏む不完全変態で卵は数十個が一つの卵鞘に包まれて産み付けられます。
チャバネゴキブリはメスが卵鞘を尾部にぶら下げて保護しますし、サツマゴキブリは卵鞘を体内のポケット状の器官で保護します。
幼虫は翅のない点以外は成虫とほぼ同じ形。
5~7回の脱皮を経て成虫になります。
クロゴキブリのような大型種は成虫になるのに1~2年ほどかかり、種類によっては繁殖の速度や世代交代の速度が遅いものもいます。
絶食に強く、ワモンゴキブリは水のない状態でさえも30~40日は生存すると言われています。
ゴキブリの脳みそ2つ説
さて、そんなゴキブリたちですが生命力の強さを表すような伝説が。
「ゴキブリは頭をとっても死なない!」
思わず思いっきり叩いたゴキブリの頭、ポロンと取れてしまったのに、ゴキブリは走って行ってしまったという証言や頭をとって殺したはずのゴキブリが掃除機の中でごそごそと動いているなど・・・・頭を取っただけではゴキブリは死なず、実はゴキブリの脳みそはもう一か所胴体にもあるのではないかと言われているのです。
実はこれはゴキブリの神経の造りに関係があります。
人間に限らず哺乳類の場合、内蔵や筋肉は神経によって脳にコントロールされています。体には沢山の神経が張り巡らされていて、その神経を束ねているのが脊髄です。
哺乳類はこの脊髄を切断してしまうと生きていくことはできません。
しかし、ゴキブリの場合、内蔵や筋肉へ情報を伝達するのは脳だけではなく、無数の神経の集まった神経球と呼ばれる部位でも行われています。
そして、その神経球は体の各部に存在していて、中でも大きな役割を果たす神経球が頭部と腹部にあるのです。
頭部の神経球は脳を支配し、腹部の神経球は主に脚や内臓の一部に情報を伝達します。
つまり、頭部が切断されたとしても体だけは腹部の神経球によって動き続けることができるというわけ。
これがゴキブリに脳みそが2つあると言われる所以です。
しかし、頭部の神経球がなくなってしまったゴキブリはどこまで走り、どこで止まれば良いかなどを判断することが出来ませんし、エサを食べることも出来ません。
ですから、結局は暴走を繰り返した上に、最後は餓死するという結果になります。
ただし、飢餓状態に強いゴキブリですから、2週間程度は頭部のない状態で動き続けることが出来るわけで・・・・
そう考えるとかなり恐ろしい光景が繰り広げられることは間違いないのです。
ちなみにこのような現象はゴキブリほど長い期間ではありませんが、カマキリやカブトムシ、アリなどにも当てはまります。
(ライター ナオ)