ゴキブリと言えば、とにかく忌み嫌われ、気持ち悪いというイメージの強い昆虫ですが、実は世界を見渡すと多くの国で食用として食べられており、日本でも、古い文献にゴキブリを食べていたという記述があるほどの食材!?だったんです。
エビにも匹敵する昆虫食としてのゴキブリの歴史
ゴキブリはほぼ全世界において一部の地域で食用として利用されてきた誇らしい!?歴史があります。
それはもちろん日本においても同じこと。
甲虫類やバッタ類、ハチ類などと比べれば消費量は少ないとはいえども、清潔な環境下で育成すれば臭みも少なく、種類によっては可食部が比較的大きいものもいます。
現代の日本では一般的にゲテモノ料理として扱われていますが、これらのゴキブリは食用種や野生種のこと。
一般的に家庭で見られるゴキブリを食べているわけではないので注意が必要です。
また中国では漢方薬としてサツマゴキブリやシナゴキブリの雌が血行促進作用を持つとして扱われていますが、日本の薬局法ではその薬効が認められていません。
衝撃的なことに18世紀ころのイギリスではゴキブリを酢で煮込み、天日干しにしてはらわたと頭を取ってバターやゴマ、塩で煮込んでペーストにするといういわばジャムのようにしてゴキブリを食べていたという記録も残っています。
エビの味と比較される昆虫たち
日本は今でも一部の地域でイナゴなどを食べる昆虫を食用にする文化が残っています。
しかしそれとは別に現在は、未来の食料難に備えた新しい昆虫食というものも都会を中心に広がりを見せています。
例えばミルワームやダンゴムシ、カブトムシや蛾の幼虫など。それらの多くはエビの味と比較して表現されることも少なくありません。
ゴキブリの味はエビの味!?
昆虫食を研究している人によるとゴキブリはエビやカニ系の味がすると言います。
素揚げにして正体を明かさなければ、多分区別がつかないだろうと…
実際に奄美大島や沖縄諸島に生息しているフタホシコオロギの味をデータ化して比べてみると、甘みや塩味、酸味、苦み、旨味などのバランスがエビやカニと非常に似ています。
特にエビよりもカニに似ているのですが、苦みが多少あるので、雑味の多いカニの味と言った表現がぴったりです。
エビの尻尾とゴキブリの翅
エビの尻尾とゴキブリの翅の成分は同じと言われています。
子供の頃よくエビの尻尾はカルシウムだから食べなさい!と言われたことがある人も少なくないのでは!?
そう、エビの尻尾とゴキブリの翅にはカルシウムや食物繊維がたっぷり含まれているんです。
また、エビの尻尾とゴキブリの翅は美容や健康にも良いと言われているキチン質という物質で構成されていて、そちらも人間にとってはプラスのことばかり。
エビとそっくりなゴキブリ料理
ゴキブリはエビと似たような調理方法で世界各国で食べられています。
そのいくつかをご紹介します。
タイの少数民族はゴキブリの卵鞘を集めてフライトして食べているのだそう。
東アジアや東南アジアでは生のゴキブリをそのまま油にいれたり、生のゴキブリを炒めて食べる習慣があります。
日本では翅と脚を取ってから揚げにして食べるのが一般的。
その他、頭と消化器を取って、翅をとり、腹部に塩を詰めて焼く塩焼きはくちにいれるとサクサクとしてイナゴに似た味がするのだそう。
茹で殺したゴキブリの足を取り、わき腹を切って腹側の殻をはがし、衣をつけて揚げたものは、腹の所がカニ味噌のような食感で淡泊で上品な味がするのだそう。
エビとゴキブリに関するまとめ
食用のゴキブリはエビやカニに近い味がする
特にエビの尻尾とゴキブリの翅は同じ成分で体にも良い
皆さんもぜひお試しください。
(ライター ナオ)