小さくてその存在に気が付きにくいですが、カイガラムシは世界中に広く生息しており人間との関りもある虫の一種です。

有益な面もあるものの害虫として周知されていることが多いです。

そこで防虫や殺虫しようとしたときどうすればいいのか紹介していきます。

カイガラムシの生態

カイガラムシは大きな分類をするとカメムシ目に分けられますが、名称がこのようになっているだけで一般的にイメージするカメムシに特別密接な関係を持っているわけではありません。

カメムシ目には多くの種類の虫が含まれており、その中にはカメムシの他セミやアブラムシ、アメンボ、タガメなど生態も大きく異なるものがいます。

カイガラムシの主な生息域は地球規模で見たとき暖かい地域であることが多いですが、それほど大きな偏りを持つことなく多様なカイガラムシが世界中で生きています。

 

植物があればそれを栄養源に生きることができ、植物が自生しにくいような極寒地でなければカイガラムシも生きることができるためです。

どこにでもいるカイガラムシですが、それぞれの地域による固有種であることが多く、それは自身の移動能力の低さに由来しています。

 

移動をしながら生きている種類もいるもののほとんどは移動する必要性があまりなく、植物に引っ付いていれば生きていくことができるため脚が退化していったと見られています。

しかしこのような種類においても幼虫のときや、環境に変化があれば移動することが確認されており、必ずしも一生を一つの植物と共に過ごすというわけではないようです。

資源としての利用

カイガラムシは、体が自身の体内から出した分泌液に覆われていることが大きな特徴です。

一匹一匹は非常に小さくじっとしている虫ですが、この分泌液を出す性質を持っていることによって外界に多大な影響を及ぼしています。

 

資源として利用されることもあり、様々なコーティング素材として使われることや、またカイガラムシの体内から色素の抽出をして色素原料として使われることもあります。

実はこの色素は飲食物や絵の具などにも使われています。

分泌液が体を覆っている

資源としても使われているこの分泌液はどのようにして放出されているのでしょうか。

多くのカイガラムシは植物に引っ付いて同じ栄養分を摂り続けるため栄養バランスが偏ってきます。

 

そのため過剰摂取してしまった分は体外に出す必要があるのです。

食事として植物内部にある管から養分を吸い取ることになりますが、ここに含まれる栄養素は糖分の割合が高く、そのため分泌液も糖分が多くなってきます。

これが蓄積されると粘土状や綿状に体が覆われて、全体的に白っぽくなるものが多いです。

害虫としてのカイガラムシ

植物を育てている人にしてみるとこのカイガラムシの出す分泌液は非常にやっかいです。

糖分の多い分泌液は多くの病気を誘発することになるのです。

 

しかも殺虫剤等を使って処理しようにも体表が分泌液でコーティングされており効果のある殺虫剤の種類が限られてくるのです。

カイガラムシが植物に与える主な悪影響としては、すす病やこうやく病を引き起こすこと、ウイルスや菌類を媒介する場合があること、また当然植物の養分が吸い取られてしまうため成長を阻害することもあります。

殺虫剤や農薬の効果

殺虫剤等を使用する場合、そのタイプを選別しなくてはなりません。直接体に付着することで効果を発揮するタイプのものはカイガラムシのコーティングによって防御されてしまうので、ガスタイプで吸引することで効果を出すものや気門を塞いで窒息させるようなタイプなどが有効的です。

これらの殺虫剤は市販で売られていることもあるので誰でも実行することができるでしょう。

カイガラムシには殺虫剤選びが大切

汎用的な殺虫剤では効かないことがあるのでしっかりとタイプを見極めて使用すれば防虫・殺虫の効果が期待できます。

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