家庭菜園を営んでいる人は一度は見たことがあるだろうヨトウムシ。
大量発生させてしまった人は、その被害の大きさに驚いたこともあるでしょう。
でも、このヨトウムシっていったい何者?
どんなふうに駆除したらよいの?
今回はそんなヨトウムシについての詳しいお話です。
ヨトウムシとは?
ヨトウムシとはチョウ目ヤガ科ヨトウ亜科の昆虫の幼虫。
多食性でイネ科以外のほとんどの植物を食害します。
老齢幼虫は日中は土中や株の地際に潜み、夜間に地上部に出てきて食害するので夜盗蛾の名前が付きました。
ヨトウムシの特徴
ヨトウムシと言われるのはヨトウガをはじめ、ハンスモンヨトウやシロイチモンジヨトウ、シロシタヨトウなど多くの蛾の幼虫です。
ヨトウガは屋久島以北の日本各地、朝鮮半島、東アジアから南アジア、ロシア、ヨーロッパに分布します。
成虫は体長が15~20㎜で、翅の開帳は約45㎜。体色は灰褐色~黒褐色で、不鮮明な白色の斑紋があります。
ヨトウガの成虫は夜間に乳白色の卵を葉の裏に卵塊で産み付けます。
卵の直径は約0.6㎜でやや扁平な球形です。
幼虫は2齢幼虫までは集団になって葉の裏から表皮を残して食害します。
シャクトリムシのように歩行し、逃げる時には糸を吐いて落下します。
若齢幼虫に食害された葉は透き通って白く見え、植物の周辺には黒色の糞をまき散らします。
2齢虫以降はそれぞれ分散して更に成長を続けます。
終齢幼虫になると昼間は物陰や土の中に隠れ、やカニになると出てきて、葉を葉脈だけになるまで食い荒らし、害を加えるのです。
また、新芽を好んで食べるので、新芽を食われた野菜が全く育たないという事態も起こり得ます。
幼虫に毛はなく表面は平滑、体色は頭部は黄褐色で不明瞭な暗褐色の斑紋があり、胴部は灰黒色、暗褐色、暗緑色等。全身に多くの小さな黒点があり、老齢幼虫の体長は40~50㎜程になります。
蛹化は土中で行われ、体長は18~22㎜。
ヨトウムシの発生時期
ヨトウムシの発生の時期は4~11月頃です。
特に高温が続く夏場の7月末から9月初旬までが最も多く、葉の表面に食害見られたらヨトウムシを疑いましょう。
ヨトウムシ対策と駆除法
ヨトウムシの天敵はクモやゴミムシですが、あまり多くは存在しません。
天敵を放して駆除するという方法は非現実的。
では、どのような対策をしたら良いのでしょう。
まず、予防としては防虫ネットなどをして飛来するヨトウガなどのヨトウムシの原因となる蛾を植物に寄せ付けないということ。
また、益虫を殺さない、害虫だけに効果のある殺虫剤を用いるということ。
背の高いイネ科の植物を周辺に植えるというのも効果があります。
そして、とにかく早期発見を心がけるということ。
ヨトウムシは終齢幼虫になると駆除が大変です。昼間は地上に姿を現しませんから、終齢幼虫の駆除は夜間行うことになります。
ですから、なるべく早く発見し、駆除してしまうことが得策。
卵の状態の時は密集していますから、見つけやすく最も発見しやすく、見つけたら葉ごと処分してすり潰してしまえばよいだけ。
卵の時に見逃してしまっても2齢幼虫までは集団でいますので、それまでは同じ方法で駆除できます。
終齢幼虫まで見逃してしまっていた場合は、夜に懐中電灯などで葉の周りを観察し、見つけて捕殺します。
万が一見逃してしまって、大量発生させてしまった場合は薬剤を散布する以外にはありません。
薬剤の散布を行うと、食害はすぐに止まります。
ゼンターリ粒状水和剤は化学殺虫成分を使わない天然成分が作る有効成分を使用しているので、環境や体への栄光も少なく、収穫前日まで安心して使用でき、おすすめです。
ヨトウムシ以外にもチョウ目の害虫に効果が期待できます。
(ライター ナオ)