コオロギが地面の近くの草にじっととまっている姿は夏の終わりを予感させるひとつの光景でもあります。
その後、コオロギはどうしているのでしょうか?
コオロギの特徴や種類
コオロギにはたくさん種類がいます。
日本にいるコオロギは35種ほどだそうですが、昆虫の分け方により様々です。
コオロギは鳴く虫として知られています。
コオロギの仲間には鳴かない昆虫も含まれ、アリヅカコオロギは鳴きません。アリの巣にアリと一緒に棲んでいます。
日本各地に生息し、よく見かけるコオロギとしてエンマコオロギがいます。
じっくり顔を見ると怖いのでエンマコオロギという名前がついています。
エンマコオロギは日本でみられるコオロギの中では体長が大きく、25mmから30mmくらいです。
体色は濃い茶色で前翅も茶系です。他のコオロギたちは小型なものが多く、体長が1mm程度の種類もいます。
コオロギは割と何でも食べますが、農作物も食べてしまう事があります。
コオロギの特徴は、頭の部分から伸びる2本の長い触角です。
大切な部位なので、汚れがつくとよくお手入れをします。
触角はかなり張りがあり、手で触るとびょよよーん、というような弾力があります。
しかしこの部位をむやみに触るとコオロギは嫌がりますから止めましょう。
大きな複眼が印象的な顔立ちですが、視力は発達していません。
また、尻毛という触角のような長いものが2本付いています。コオロギは寒さが苦手です。
コオロギの卵は越冬する
一般的なコオロギの成体が見られるのは、晩夏から秋にかけてです。
以下は広い地域でみられるエンマコオロギの卵についての話です。
夜行性のため昼間は土の中にいます。コオロギは小型の昆虫などを食べる肉食傾向ですが、野菜やフルーツも食べたりする雑食です。
コオロギは秋になると交尾を行います。
コオロギのオスがメスの体の下に潜り込む恰好です。これはメスの腹部に精球をくっつける為です。
メスは産卵管を地面に刺して土の中に産卵します。コオロギは卵の状態で土の中で越冬します。
卵の外見はやや黄色がかった白色の細長いものです。大きさは2mm程度です。気温が上がって孵化したての幼虫は、薄い膜がついた白っぽい姿です。
土の上に出ながら膜がとれていきます。体長は2mmくらいでまだコオロギには見えませんが、触角は長いです。
脱皮を6回ほど繰り返し、夏頃に最後の皮を脱ぎ成虫になります。この最終の脱皮は羽化です。
コオロギは不完全変態の昆虫ですが、翅が完成するのは最後です。羽化したばかりのコオロギはできたてほやほやといった姿です。
コオロギの成虫としての寿命は夏から秋にかけてのひと月と少しです。
コオロギの音声
コオロギのオスとメスの違いは大人のコオロギを背から見ると産卵管が長くついているのがメスという事からでもわかりますが、前翅にも雌雄の違いがあります。
オスの場合は音声の為にうねうねとした模様がついています。メスの場合はその脈のような模様がまっすぐです。
コオロギは翅はありますが飛びません。
オスのコオロギは、翅にある細かな突起を、脚で高速で擦り合わせるようにして音声を出します。
秋の夜には昆虫の鳴き声が数種類聴こえることもありますが、うるさく思う事はそんなにないのではないでしょうか。
コオロギの仲間の昆虫たちは皆それぞれ別の音声を持っています。コオロギたちは、じっとしているようで非常に活発に活動しています。
日暮れに鳴くオスのコオロギは、自分の縄張りを知らせたりメスを探すために鳴きます。
コオロギは基本的に単独行動を行う昆虫です。コオロギのオス同士が争っている時はキリキリというような緊張感のある音を出し、交尾中にもコロコロと鳴く事もあります。
このように鳴き声ともいわれる音声を発するコオロギの音を聞く器官は、脚の付け根あたりについています。
コオロギの飼育について
コオロギの卵を手に入れたい場合はやはり飼育が一番でしょうか。
昨今では爬虫類の飼育に必要となる餌として、コオロギの卵がよいなどという話もあるようです。
コオロギは寒いのは苦手です。何でも食べます。飼育ケースは衣装ケースが容易です。
昆虫のお世話に慣れている人ならとても簡単のようですね。ただし、成虫のコオロギのオスとメスを飼育していても産卵行動に至るのは難しい場合もあるみたいです。
これは自然でのコオロギの様子を見た事がある人には思い当たる節があると思います。
コオロギのオスはしきりに鳴き声を出しメスを呼んでいるようでもありますが、コオロギのメスはかなり気まぐれに見えます。
(ライター:おもち)