秋を感じさせる虫と言えば何でしょうか。
考えられるものはいくつかあると思いますが、その代表的なものの一つにはコオロギが挙げられると思います。
鳴き声が特徴的で、童謡に登場することや日本文化である和歌にも出てくることがあります。
それほど馴染みのある虫ですが、同じコオロギでもよく見かける種類のものから地域によっては見ることのできない種類など様々です。
そこで、日本に生息するコオロギの種類にはどのようなものがいるのか紹介していきます。
コオロギの生態
種類ごとに分類せずコオロギ全般で考えたとき、その生息域は全国的に広がっています。
基本的に草木の多い場所を好みますが、森林まで行かなくても住宅地近くの雑草でも潜んでいることがあります。
この他田んぼや河原などにもよくいるので、比較的簡単に見つけることができます。
秋になれば夕方から夜にかけてコオロギの鳴き声が響いて季節を感じることもできますが、実際のところはコオロギの多くは秋にしか活動していないわけではなく夏から活発になってきます。しかし近年では環境の変化もあり都市部を中心に生息数は減少しているようです。
食性については雑食であることが知られており、成虫に限らず幼虫のときから様々なものを食べています。
葉っぱや野菜、果物に加えて昆虫も食べています。
なぜ鳴くか
コオロギの特徴と言えば鳴き声を上げることですが、実はこの鳴き声はオスしか発していません。
なぜなら鳴き声を出す理由がメスに対する求愛であることがほとんどだからです。
自分をアピールし、そして自分の居場所を知らせる効果がありメスをおびき寄せているようです。
さらに、同じ種類のコオロギでも求愛時と異なる鳴き声を出す時がありますが、この場合にはオス同士の争いが起こっていることが多く、縄張り争いなどが発生すると攻撃的に鳴くこともあるのです。
また鳴き声とよく言いますが、哺乳類などの動物がするような鳴き方ではなく、翅をこすり合わせることで発しています。
形状について
コオロギは後ろ足が発達しておりピョンピョンと跳ねるように移動をします。
翅は付いているものの自由自在に飛ぶことはできず、ほとんど鳴き声を出すために使っているのです。
また驚くことに耳が足に付いているようで、前足の付け根付近を見てみると確認することができます。
色んな種類がいる
日本にいるコオロギの中でも最大級の種類としてエンマコオロギがいます。
30㎜を超える体長を持つ個体もおり、全国的に生息しています。
顔が閻魔大王のようだと考えられたことが由来でこの名前を付けられたとされています。
大きな音でコロコロリーと鳴くことが特徴です。次にハラオカメコオロギについてです。
こちらは15㎜程度と小さめで顔が平たくふっくらしていることから名づけられ、エンマコオロギと違いリ、リ、リと鳴きます。
ハラオカメコオロギとよく似た種類にはモリオカメコオロギがおり、サイズや鳴き方も近いですが翅の形状に少し違いが見られます。
このようにコオロギは顔の見た目で名付けをされていることが多く、これはミツカドコオロギという種類についても同様です。
ミツカドコオロギは頭に突起があり正面から見てみると三角形に見えるという変わった形をしています。
ハラオカメコオロギなどよりは少し大きく20㎜ほどの体長です。
もう一つ日本でよく見ることのできる種類にツヅレサセコオロギがいます。
畑や庭のちょっとした草に隠れていることもあるためよく見られ、万葉集にも登場しています。鳴き声はリーリーリーと鳴きます。
色んな種類のコオロギが日本はいる
8月から11月ころには日本中で色んなコオロギを見ることができます。
鳴き声での見分けや実際に捕まえてみて頭部を確認することで見分けることもでき、夜になると自ら居場所を教えてくれるので是非探してみてはいかがでしょうか。
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