「ホシホウジャク」って知っていますか?
秋になるとよく見かけるようになるホシホウジャク。
ホシホウジャクとは、蛾のことです。
蛾なのに可愛らしさがあって、よく蜂に間違えられるので困っています(笑)
ここでは、ホシホウジャクの生態について詳しく紹介していきたいと思います。
ホシホウジャクとは?
ホシホウジャク(星蜂雀、星鳳雀蛾)は、チョウ目スズメガ科ホウジャク亜科の蛾です。
日本では、北海道、本州、四国、九州など、日本全国に生息してます。
九州以南には、近似種がたくさん存在しています。
外国では、中国、朝鮮半島、インド、フィリピンなどに生息しています。
ちなみにホシホウジャクの中国名は「長喙天蛾」「后黄長喙天蛾」です。
ホシホウジャクは飼育することもできます。
ホシホウジャクの卵から孵化して、幼虫から成虫に成長する姿を観察することができます。
ホシホウジャクの形態
ホシホウジャクの体の大きさは、開張時で50~55mmぐらいです。
成虫の体の色は、全体にこげ茶色で、茶色のグラデーションがとても綺麗です。
止まってジッとしていると、枯葉のようです。
ホシホウジャクは後翅だけ黄褐色のような、オレンジ色です。
このオレンジ色の翅が、飛んでいるときに蜂のように見えるので、よく間違えられます。
ホシホウジャクという名前の漢字にも「蜂」という文字が使われています。
お腹には白い帯もあります。
頭部は小さくて少し丸みがあります。
胴体が太くて、尾角の長さは7~8mmです。
ホシホウジャクの生態
ホシホウジャクは市街地や住宅地でもよく見かけることができます。
7~11月によく活動しています。
冬越しをするそうなので、12月に見かけることができたり、年中見かけることができるともいわれています。
ホシホウジャクはハチドリのように飛ぶことで有名で、ホバリングしながら長ーい口で、蜜を吸います。
“ホバリング”とは、すっごく速く・・・いや、超高速で羽ばたきながら空中に止まっているような飛び方のことです。
ホシホウジャクは飛んでいる時は、脚をたたんでいます。
どんなに小さな花でも、ホシホウジャクの細くて長い口で蜜を吸うことができます。
ホウセンカやアベリア、ラベンダーやコスモスなどの花の蜜を吸います。
花の蜜を吸う時は、少し吸ったら次の花へ、少し吸ったら次の花へと、花から花をはしごしながら忙しなく吸い回ります。
花にとまることなく吸うので、これまた大変そう。
ホシホウジャクを見かけるたびに、ほんとに忙しそうにしているんですよ。
ホシホウジャクは昼行性ですが、灯火に集まることもあります。
ホシホウジャクはヘクソカズラに産卵します。
少し黄緑がかった白色の卵を産み付けます。
ホシホウジャクの幼虫
ホシホウジャク幼虫の体は緑色や黄緑色です。
頭部が小さくて、体の前の方は細くなっています。
パッと見たら、葉っぱを折り畳んだようにも見えるイモムシです。
なんだかモソモソしていて可愛いんですよ。
ホシホウジャクの幼虫は、アカネ科のヘクソカズラの葉を食べて育ちます。
ですので、初夏から晩秋までは、ヘクソカズラで見かけることができます。
ホシホウジャクの生態について まとめ
ホシホウジャクの生態について紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか?
ホシホウジャクは花の近くを飛んでいるときに、オレンジの翅がよく目立つので、よく蜂と間違えられます。
ホシホウジャクは蛾なのですが、蛾のような気持ち悪さはなく、むしろ可愛いです。
ホシホウジャクが花の蜜を吸っている様子の写真は、写真家さん達の間でも人気があります。
花の蜜を吸うホシホウジャクを捕らえた写真は、とても美しいですよ。
(ライター 雲呑)