動かざること山の如し…生きているのか死んでいるのか分からないほど動かない、それが「ナマケモノ」。

彼らの生態について知れば知るほど、その怠け者っぷりにはもう笑うしかありません。

 

自然界では生き物たちの最大の目的と言えば、交尾をして子孫を残すこと。

しかし…ナマケモノは、交尾の時ですら怠けているのでしょうか?

今回はそんなナマケモノの生態や、交尾について詳しく見ていきたいと思います。

ナマケモノの生態

ナマケモノの生息地は、南アメリカや中央アメリカの熱帯林。

体長は40~70㎝で、長い手足と長い爪が特徴的です。

彼らこの長い爪を木の枝に引っ掛けてぶら下がり、生涯のほとんどをそのままぶら下がって過ごします。

餌もほとんど食べず、微動だにしないことから、かつては「風から栄養を摂っている」とさえ言われていたんだとか。

 

確かに、ナマケモノが餌を食べたりしている姿が想像できないですね…。

ナマケモノの怠けっぷりは、想像以上。

 

夜行性の動物なのですが、その睡眠時間は一日に20時間…つまり、一日のほとんどを寝て過ごしています。

これなら夜起きてても昼起きてても大して変わらない気がしますね…。

動かなさすぎて、体に苔が生えてくることもあります。

食事も当然木の上で行うのですが、一日に必要な食べ物はわずか8g!

 

動かないことで、極限まで代謝を抑えた結果なのでしょうが、よくこんな少ない食事で生きていけるなと感心してしまいます。

一日にこれだけしか食べないのですから、当然排泄の回数も少なく、なんと1週間から10日に一回。

 

この時ばかりは木から下りて、木の根元に排泄するそうです。

しかもビックリすることに、こんなにも少量の食事にも関わらず、消化が間に合わずに「満腹なのに餓死」という信じられない状況に陥ることもあるんだとか。

ナマケモノは体内器官すら怠け者ということなのでしょうか。

ナマケモノの交尾

どんな怠け者でも、交尾をしなければ子孫を残すことはできません。

究極の怠け者であるナマケモノは、一体どうやって交尾をするのか気になりますね。

まず相手と出会うのすら大変そうですが、この時ばかりはナマケモノも奮起。

 

オスはメスと出会うため、一日に1kmも移動することがあるそうです。

(他の生き物なら、一日に1kmとか鼻で笑うレベルですが、ナマケモノの普段の生活から考えるとすごい規模の移動ですよね。)

 

交尾をする場所は、もはや言うまでもなく木の上。

枝にぶら下がったまま行います。

 

そのままゆっくりと交尾が続くのかと思いきや…終わるのはそう時間がかからないんだとか。

さすがのナマケモノも、敵に狙われる危険性の高い交尾の時間は、さっさと終わらせるのが吉だと判断したのでしょうか。

自然界最弱?

ナマケモノには、タカ、ワシ、ピューマなど数多くの天敵が存在します。

生き物たちは「素早さ」「賢さ」「強さ」など様々な武器を駆使して敵から身を守るわけですが、ナマケモノが身を守る方法は「動かないこと」。

 

木に擬態し、行動範囲を極限まで狭めることで、敵と遭遇する機会は格段に減るというわけですね。

しかし、見つかってしまったら最後…ナマケモノは何一つ抵抗できる武器を持っていません。

 

あの長い爪で攻撃するのでは?と思われがちですが、爪は攻撃において全く役に立たないのです。

なぜなら、筋肉がものすごく少ないから。

 

爪を振り回したところで、痛くもかゆくもないのです。

そりゃあご飯も食べずに一日のほとんどを寝て過ごしていたら、筋肉なんてつくわけないですよね…。

 

しかも動き過ぎると、発生したエネルギーに体が対応できず、死んでしまうこともあるんだとか。

そんな感じなので、命の危機が迫った時でも動きは相変わらず鈍く、逃げる時の最高時速も時速150mほど。

 

1分間で2~3mしか進めないってことです…。

これじゃあどんな敵からも逃げられません。

 

そして獲物に捕まったナマケモノは、抵抗するでもなく全身の力を抜いて諦めモードに入るというのです。

そうすることで余計な苦痛を感じずに済むから…と言われていますが、最後の最後までナマケモノらしいですね。

ナマケモノについてのまとめ

さすがのナマケモノも、交尾の時には怠けないということがわかりました。

しかしそれ以外は…名前に違わぬ怠けっぷりで、逆に感心してしまうレベルですね。

(ライター もんぷち)