世界最強動物と言われるラーテル。
自分よりも大きな動物にも毒蛇にも果敢に攻撃を仕掛けるラーテルは怖いもの知らずと言われています。
しかし、どんな動物にも弱点はあるはず・・・・ラーテルの弱点って一体何なのでしょう?
ラーテルの生態
ラーテルは肉食目イタチ科ラーテル属に分類される食肉類です。
アフガニスタンやアラブ首長国連邦、サウジアラビア、セネガルなど多くの地域に生息しています。
体長は60~77㎝で体重は7~13kg。
頭部から尾にかけて白い体毛で覆われています。
皮膚が分厚く、特に頭部から背にかけての部位は伸縮性が非常にたかくて硬い、柔軟性のある装甲になっていて、これが彼らの最大の武器にもなっています。
耳がなく、肢には大きく発達した鉤爪が生えています。
また、危険を感じるとお尻付近にある臭腺から強い液体を噴射します。
主に乾燥地帯に生息していますが、森林や湿原にも生息し、夜行性で昼間は樹洞や岩の隙間などで
休んでいます。
群れは形成せず、単独もしくはつがいで生活していて、木に登ったり、発達した前肢と爪を使って素早く穴を掘ることも出来ます。
食性は雑食で、哺乳類、鳥類、果実などを食べ、好物はハチミツやハチの幼虫です。
ハチミツの在りかはノドグロミツオシやウロコミツオシエという鳥がラーテルに教えます。
ラーテルはハチの巣を力任せに壊して蜜を食べ、小鳥たちはその蜜蝋を食べることができる、という
互いに共生関係を築いています。
繁殖期は凶暴なラーテルがますます気が荒くなり、大型動物に攻撃を仕掛けるようになります。
その対象はヒトやライオン、アフリカスイギュウなどで、ラーテルの丈夫な装甲はライオンの爪や牙もガードする強固な武器になるわけなのです。
また、神経毒に対して耐性を持っていて、例えコブラに咬まれたとしても、しばらく動けなくなった後に
復活して活動を再開するという、恐ろしいほどの生命力も兼ね備えているのです。
食用とされるラーテル
ギニアやザンビアの一部の地域ではラーテルを食用としているところもあります。
また、他の地域では肢や皮膚、内臓、死亡などが薬用になると信じられているところもあります。
しかし一方で畜産業界や養蜂業界から害獣とみなされ、駆除されることもあるようです。
ラーテルの弱点
ラーテルの天敵はライオンやハイエナ、ヒョウなどと言われています。
しかし、これらの動物に関してもラーテルはもちろん、すごすご食べられてしまうわけではありません。
自分の持っている武器を最大に使って、防御と攻撃を繰り返します。
それでも、ライオンたちにやられてしまうのは、ラーテルの弱点である腹面を襲われた時。
ラーテルの背面は固い装甲で覆われているので、無敵ですが、腹面は完全にノーガード。
皮膚がそれほど丈夫なわけでもなく、ひっくり返されてお腹を攻撃された時にはもう完敗です。
ライオンやハイエナ、ヒョウたちがそれを知っているのかどうかは別として、ライオンたちが器用にラーテルをひっくり返すことはあまり得意ではないということが、ラーテルが無敵と言われる所以でもあるのでしょう。
生物学的なこと以外で言うなら、顔もラーテルの弱点と言えるかもしれません。
これは単に顔が不細工だということ。
ラーテルの顔つきは、キリッと引き締まったライオンやヒョウ、チーターとは比べ物にならず、更にはコアラやカピバラのように愛嬌も感じない顔の造りをしています。
ラーテルの顔は決して人間好みの顔ではなく、憧れられることも、可愛がられることもあまりないのが実情。
野生で生きていくうえでは全くもって問題にならない弱点ですが、動物園に保護されて生き残れる確率はかなり低いということにもなるわけです。
ちなみに、名古屋の東山動物園ではラーテルを飼育・展示しています。
興味のある方は一度生のラーテルをじっくり見に出かけてみて下さい。
(ライター ナオ)