子供の頃から意外に身近な生き物でありながら、その詳しい生態についてはあまり研究の進んでいないダンゴムシ。

実は海にもダンゴムシがいるってご存知でしたか?

ダンゴムシの特徴

ダンゴムシは節足動物門甲殻網ダンゴムシ目の動物です。

クモやムカデの仲間というよりは、どちらかというとエビやカニに近い生き物。

オカダンゴムシ科、ハマダンゴムシ科、コシビロダンゴムシ科の3つの科に分類され、日本にはこの内海岸線に大型のハマダンゴムシ、森林の土壌ではやや小型のコシビロダンゴムシがいて、オカダンゴムシはヨーロッパ原産の帰化動物であると考えられています。

 

落ち葉を食べ、微生物が分解しやすい状態にして排泄するダンゴムシは生態系の中で分解者の役割を担っています。

しかし、落ち葉以外にも農作物の葉や茎、場合によっては新芽などを食害したり、見た目の不気味さから不快害虫としての側面もあり、駆除用の薬剤も販売されています。

 

コンクリートや踏み固められた年度質の土など、堅い地面の上に置くと少し息を吹き替えただけで丸まってよく転がるので子供たちのおもちゃ代わりになることもあります。

海に生息するダンゴムシの種類

日本に生息しているダンゴムシのうち、海岸近くにいるのはハマダンゴムシです。

通常私たちが良く目にするダンゴムシよりもやや大型で、背中に砂の模様が入っているのが特徴です。

 

夜行性で昼間は石の下などに隠れているので、昼間探すときには石などを掘りかえさなければ見つけることはできません。

色や大きさにはとても個体差があり、透明で小さいものもいれば、15㎜程の大きさで色も少し黒っぽいものもいます。

スナホリムシって!?

海にいるハマダンゴムシと間違えやすいのが節足動物門甲殻網等脚目スナホリムシ科に分類される生き物で、体長は1.2㎝、楕円形ないし紡錘形をしています。

頭部に続いて7胸節、5腹節、腹尾節からなっていて、2対の触角のうちどちらかが長いものもいます。

肉食性で砂浜や岩礁、浅瀬砂泥底などに棲んでいます。

スナホリムシ科には岩礁に生息するニセスナホリムシや砂浜にヒメスナホリムシ、ヤマトスナホリムシなどがいます。

 

ヒメスナホリムシの体長は1㎝ほど、ヤマトスナホリムシは1.5㎝程です。

また、同じスナホリムシ科にはあのダイオウグソクムシやオオグソクムシなどの大型のものも属しますので科全体としては実に幅広い大きさの生き物が存在することになります。

 

スナホリムシは砂浜で遊んでいたりすると、人間の皮膚をエサだと思って噛みついてきます。

普段は砂に潜っていますが、海水中を素早く泳ぎ回ることも出来ます。

 

ニセスナホリムシが死んだ人間の体を食べていたという事例が報告されたのはつい最近のこと。

1999年に志摩半島沖で転覆した漁船に乗っていた猟師が翌日、顔面が白骨化した状態で海底から見つかったという話。

 

この時、ニセスナホリムシは眼や鼻、口、傷口から侵入して内部を食べたと推測されています。

24時間という短い時間でもかなり食い尽くしてしまうのだそう…見た目によらない底知れない恐ろしさを秘めたスナホリムシです。

また、2010年にも同じように老婆の遺体の粘膜や軟化した皮膚に侵入して、48時間で白骨化させたとい事例も報告されています。

スナホリムシのまとめ

スナホリムシは人間の健全な皮膚を食いちぎってしまうという事件は報告されていませんし、被害などの報告もありません。

しかし、海辺でちくちくと手足をかじってくるような生きものがいたら、それはほぼスナホリムシの仕業でしょう。

 

見つけた時には手に乗せてよく観察してみてください。

あの、ダイオウグソクムシの超ミニュチュア版を見ることが出来ますよ。

(ライター ナオ)