公園や学校などの花壇はもちろん、一般のご家庭の庭でも定番の「チューリップ」。
育て方も簡単で、子供と一緒に育てて楽しんだりする人も多いでしょう。
単純に地面に植えて、はい終わり!というのでも育てられないことはないですが、より美しい花を咲かせるためにもう一工夫してみてはいかがでしょう?
今回はチューリップの生態や育て方、球根の消毒方法などについて、詳しくまとめてみたいと思います。
チューリップの生態
チューリップの原産は中近東(アナトリア、イラン、カザフスタンなど)。
和名は「鬱金香(うこんこう)」ですが、日本ではほとんどの人が知らないですよね。
チューリップは色鮮やかで美しいので、何となく香りも華やかなんだろうなというイメージがありますが…実は香りはあまりよくありません。
ウコンに似たホコリ臭い香りがするため、「うこんこう」という名前が付いたのです。
チューリップの香りをまじまじと嗅いでみたことはありませんが、確かにそんなにいい香りはしなかった記憶が。
近頃では品種改良により香りのよいものも増えてきているそうです。
我々が良く見知っているチューリップは、花がカップ型になっているものですよね。
しかし近年では様々な品種が登場しており、一見すると「これ本当にチューリップ?」と思うようなものまで。
ユリ科の植物なので、ユリにそっくりな花をつける「ユリ咲き」や、普通の花のように花弁が全開になった姿を楽しむ「八重咲き」などがあります。
普通のチューリップに飽きてしまったという人は、少し変わった咲き方をするものを育ててみるのも面白いかもしれませんね。
このように花を観賞して楽しめるチューリップですが、じつは食用にもなるということを知っていましたか?
「いやいや…いくらなんでもチューリップは食べられないでしょう」と思った人も多いでしょう。
しかし、チューリップと風車の国オランダでは、食用としての栽培が盛んに行われているのです。
球根は糖度が高いので製菓材料として、花はサラダや添え物として生で食されます。
確かに食べられるバラなどはわりと一般的ですし、そう考えるとチューリップを食べるというのもそんなにおかしな話ではないですよね。
ただし!花壇に植えてある園芸用の品種を、そのまま収穫して食べられるわけではありません。
食用専用品種でなければ、灰汁が強く多少の毒性を含むため、食用には適していません。
きちんと食品として売られているものを購入するようにしましょう。
チューリップの球根は消毒する?
自分たちが子供の頃、チューリップの球根を植える時に消毒なんてしてませんでしたよね。
しかし最近では、より安全に球根を育てるためには、消毒をした方が良いと言われています。
球根は長い期間土の中で過ごさなければなりませんから、腐ったり病気になったりしやすいんです。
とは言え、傷やカビのついていない元気で大き目の球根を選びさえすれば、そうそう球根がダメになってしまうような事態は起きないでしょう。
消毒はあくまでも「保険として」「確実に育てるために」というくらいの気持ちですれば良いと思います。
消毒の方法は、消毒用の薬剤に15分~30分ほど付けておくだけ。(球根の量や薬品の種類にもよります。)
チューリップの球根の消毒用薬剤としては、「ベンレート」や「オーソサイド」などがよく使われます。
また、植え付けのとき以外でも球根を消毒する機会はあります。
もしも花が咲き終わった後の球根を掘り出して来年も利用しようと思うならば、その時は球根の保管のために消毒をしなければなりません。
きちんと消毒をしていないと、小さな傷などから腐ったり病気になったりしやすいからです。
「消毒なんて必要ない」「しても変わらない」という人も多いですが、消毒をしないよりは、やはりした方が確実に安心感が得られるでしょう。
球根の状態、植え付ける(保管する)環境、予算などをよく吟味して、消毒をするかどうかを決めてください。
チューリップについてのまとめ
とても身近で、誰もが一度は学校などで育てたことのあるチューリップ。
しかし、消毒について知っている人は少ないのではないでしょうか。
必ずしも消毒しなくてはいけない!というものではないですが、そういう方法もあるのだということを頭の隅に置いておいてください。
(ライター もんぷち)