インコやジュウシマツなどの大好物、ハコベ。
鳥を飼ったことがある人なら、一度はハコベを食べさせたことがあるでしょう?
鳥たちは本当に美味しそうに食べるものです。
今回はそんなハコベの栽培方法についてお話していきます。
ハコベの特徴
ハコベはナデシコ科ハコベ属の総称です。ハコベラともいい、春の七草のひとつでもあります。
世界に120種類が存在し、日本へは18種類あります。
ハコベ属に分類される植物は背が低い草本で、一年草や越年草、多年草です。
茎葉株状になったり、1本立ちになったりして、よく枝分かれして密集した群落をつくります。
茎には節があり、節ごとに葉を互生しています。
葉は扁平で、茎の下部に葉柄があるものとないものがあります。
花は集散花序か茎先や葉脈に単生します。
茎の付け根に花径4~6㎜程の小さな萼片を5個つけ、花弁は白色か稀に緑色で5弁あり、根元近くまで2つに裂けているので、一目見ると10弁に分かれているようにも見えます。
葉は互生で、卵円形をしていてい先端は尖っています。
日本の主な種類
日本にはウシハコベ、イトハコベ、エゾハコベ、コハコベ、ミドリハコベ、エゾオオヤマハコベなどがあり、ウシハコベは雌しべの先端が5つに分かれているのですぐに他の種と区別がつきます。ミドリハコベは全体的に柔らかい草で、成長したときの高さは15~50㎝くらい。葉は卵形で、短い柄をつけて対生します。
春から夏にかけて6~7㎜の白い5弁の花をつけ、対生します。
花弁は小さく目立たないですが、よく見ると細い花びらが10枚あるように見え、これは5枚の花弁がそれぞれに2つに深く裂けている為と考えられます。
山間部にはオオヤマハコベ、シラオイハコベ、ミヤマハコベ、ヤマハコベなどがあり、高山に出現するハコベとしてはカンチヤマハコベやイワツメクサ、エゾイワツメクサなどがあります。
また、間違いやすい植物で、ハコベの名前の付いたものがいくつかありますが、それらはサクラソウ科だったり、ミゾハコベ科だったり、ゴマノハグサ科に分類され、ハコベとは本来は別種です。
ハコベの栽培方法
ハコベは小鳥を飼っている人が栽培しながら、エサとして与えるという例が多い様です。
ハコベの栽培は地植えでも鉢植えでも出来ますが1年中育てたいという場合はプランターか鉢植えで家の中においておくのがオススメです。
湿り気のある土に種を蒔き、うっすらと土をかけます。
2~3日ほどで発芽しますので、発芽したら、葉と根を中心に霧吹きなどで乾燥しない程度に水をやります。
あまりやりすぎると根腐れを起こしてしまうので、うっすらと植物を湿らす程度で良いでしょう。
大きく育てたい場合は植え替えや間引きが必要となりますが、小鳥のエサように育てる場合はそれほど背丈は必要としませんので、混みあっていてもそのまま栽培します。
花が咲き、種を落としたら、根元から4~5㎝ほどの所で切り取ります。
地面に落ちた種の他にも根元から若い芽が出てくるので、一年中緑の植物を見られるということになります。
真夏の暑い時期はハコベは活動を休止します。
この時は水も乾かない程度に霧吹きで拭きつけるくらいで良く、やたら水を与えないようにしましょう。
ハコベの利用
ハコベは炎症を緩和する作用があります。
湿疹や歯槽膿漏、歯痛などに効くと言われています。
歯槽膿漏は食添にハコベの葉の粉末を混ぜてブラッシングすると良いと言われ、歯痛にはハコベを塩もみして丸め、歯の間に挟んで噛むと良いと言われます。
生の葉に塩を加えてすり潰した汁を飲めば、慢性胃炎にも効果があると言われています。
柔らかそうな先っぽの方を摘んで、塩水で湯がいて見ずにさらし、あえ物や汁の実にしたり、天ぷら、炒め物にもします。
泥臭さが気になる場合はナムルや胡麻和えもいいそうです。
(ライター ナオ)