キリンソウは漢字で「黄輪草」とも「麒麟草」とも書きます。
どんな花なのでしょうか。
キリンソウについて
キリンソウは、シベリアから中国、朝鮮半島、日本など東アジアに自生する耐寒性の多年草です。
ベンケイソウ科キリンソウ属ですが、自生する地域によりいくつかの系統に分かれているようです。
日本では北海道から九州までの山や海岸などに自生しています。
高山植物のようでもあり、海岸付近にみられたりと、強いながらも複雑な性質をもつようです。
ベンケイソウ科は非常に種類が多いのですが、多肉植物などもこの科の事が多いようですね。
キリンソウの葉は交互についています。
背が低いうちは特に葉に厚みがあり多肉植物のようにも見えます。
キリンソウの開花時期は5月から8月で、草丈は30cmから50cmほどです。
キリンソウの花の咲き方
キリンソウは明るい黄緑色の肉厚の葉に、はっきりした黄色の5片の花弁がつきます。
花弁の先は尖っています。星のようにも見えますね。
花の咲き方は集散花序タイプです。
茎に最初に花をつけてから、次に出てきた枝にも次々に花が咲くような感じです。
そのため、開花している状態のキリンソウは花のひとつひとつは大きくないものの、花が密集し輪のように咲いているように見えます。
それが黄輪草という漢字の由来にもなっているようです。
もう一つの「麒麟草」には諸説あるようです。
キリンは実在する動物でもあり、想像上の生物でもあるという不思議な生物ですね。
キリンソウは林道などで見かけるような野草に近いものです。
花が終わると5mm程の果実がつきます。
冬には地上部が枯れ、越冬芽(エットウガ)というものを出して越冬します。
これは冬に一時的に休眠状態のようになる多年草に見られるもののようです。
葉の様子も、小さいうちは多肉のようですが、伸びてくるとごく普通の野草のような感じになります。
キリンソウは茎が結構太く、しっかりしています。
キリンソウの利用について
キリンソウは薬草として利用されていたようです。
ごく軽い切り傷や虫刺されに使われるようです。
葉から出る汁を切り傷または虫刺され部位につけるらしいですね。
こういうのは効く効かないに個人差があります。
また、その時の体調などもありますしね。
キリンソウの若芽は、山菜として塩茹でのち水にさらして食用とする事もできるようです。
伊吹山について
伊吹山は岐阜県と滋賀県の県境にある標高1337mの山です。関ケ原の近くみたいですね。
『日本百名山』などでも有名になったかも知れません。
登山が好きな方はよく知っておられるでしょうか。
頭頂部などは特に薬草の宝庫などといわれています。
伊吹山に自生する草木の種類は1000以上だとされ、およそ280種もの薬草があるとされています。
キリンソウもそのひとつのようです。
伊吹山の上の方は石灰ですが、下の方は泥岩などでできているようです。
この山は付加帯という地形だそうで詳しくはよく分かりませんが、異なる時代の断層が複雑なミルフィーユ状になっているようです。
地形の特殊さが様々な薬草が自生する秘密なのかも知れません。
山といえば断層ですが、伊吹山の南の縁から柳ヶ瀬関ケ原活断層帯があります。
キリンソウや山に咲く花について
キリンソウもあるのなら、ゾウそうもあるのではないのか、などと思ったらありませんでした。
キリンソウは園芸種として売られている事もあるようです。
中にはどこの山でとれたキリンソウか、書いてある事もあるようですね。
キリンソウにも花言葉があり、「警戒」「警戒しながら要注意」だとか。
これは警戒することを続けながら、更に注意をするという事なのでしょうか。
確かに登山中に珍しい花に目を奪われてしまう事もあるかも知れません。
山で一番危ないのは沢です。
沢には水が流れていたり、野草もあり心惹かれる場合もありますが、万が一脚を滑らせたら一巻の終わりです。
キリンソウは水辺というより岩場などにも自生するそうですから、その心配はなさそうですね。
(ライター:おもち)