秋になるとフジバカマにくっ付いているアサギマダラ蝶をよく見かけませんか?

写真家の方々もフジバカマにとまるアサギマダラ蝶の写真をよく撮られています。

とても美しくて綺麗な一枚です。

 

アサギマダラ蝶はなぜいつもフジバカマにくっ付いているのでしょうか?

アサギマダラ蝶とフジバカマの関係について調べてみました。

アサギマダラ蝶とは?

「アサギマダラ(浅葱斑)」は、チョウ目タテハチョウ科マダラチョウ亜科に属している蝶です。

韓国、中国、ヒマラヤ山脈、日本に生息しています。

日本の本州では夏~秋に、九州では秋~冬に見ることができます。

成虫の大きさは50~60mmで、翅には黒色の脈があり、白色のような水色のような透き通った青緑色の浅葱色をしています。

 

これが名前の由来にもなっています。

翅の模様と色が鮮やかで、とても綺麗な大型の蝶です。

オスはお腹のところにフェロモンを出す器官があります。

 

幼虫は黒地に黄色い色をしていて、2本の黒い角を持っています。

この派手な身体の色で、敵に警告しているといわれています。

身体はイモムシのような毛虫のような体型で、草を食べて成長します。

 

見かけたら「ギャッ!」と身の毛がよだつようなとっても気色悪い感じです。

アサギマダラ蝶は暖かい地域へ長距離移動することで有名です。

 

秋に日本から台湾などへ移動しているアサギマダラ蝶が確認されています。

その移動距離は2000kmを越える時もあるそうなので驚きです。

 

アサギマダラ蝶の寿命は成虫になって4~5ヶ月しかないので、その間に移動し、卵を産みます。

アサギマダラ蝶は生きている間、ほとんど移動していることになります。

フジバカマとは?

「フジバカマ(藤袴)」はキク科ヒヨドリバナ属の多年生植物です。

秋に花の咲く草のひとつで、秋の七草とされています。

 

8月~10月に淡い紫色や白色の小さな花を傘のようにたくさん咲かせます。

フジバカマは普段匂いがしませんが、乾燥させると甘い香りがします。

 

このフジバカマの香りですが、女性に嗅がせるとメロメロになるともいわれています。

その昔、中国ではフジバカマは匂い袋として使われていて、日本では薬草として使われていました。

フジバカマには身体にいい効能があります。

 

疲労回復や利尿、消化不良や皮膚の改善に効果があります。

お茶や漢方薬、入浴剤として使われています。

フジバカマの原産は中国で、朝鮮半島や日本に自生しています。

 

日本では本州、四国、九州の河原などで見ることができます。

現在、フジバカマの生息数が減ってきているので、準絶滅危惧種に指定されています。

フジバカマは9月25日が誕生花で、「あの日のことを思い出す」という花言葉があります。

アサギマダラ蝶とフジバカマの関係

フジバカマの持っている”ピロリジジンアルカロイド”という成分がアサギマダラ蝶には必要なのです。

この”ピロリジジンアルカロイド”は、アサギマダラ蝶のオスのフェロモンの原料になっています。

 

成虫はフジバカマに集まり、フジバカマの蜜に含まれている成分”ピロリジジンアルカロイド”を摂取して敵から攻撃されないようにしています。

また、アサギマダラ蝶の幼虫はガガイモ科の葉っぱを食べます。

このガガイモ科は”アルカイド”を含んでいるので、アサギマダラ蝶の幼虫もガガイモ科の葉っぱからアルカイドを摂取して、敵から攻撃されないように身を守っているのです。

アサギマダラ蝶とフジバカマの関係についてまとめ

アサギマダラ蝶のフェロモンの原料になるのが、フジバカマの蜜に含まれている成分です。

これがないとアサギマダラ蝶は身を守ることができません。

 

フェロモンを作ることもできなくなるので、子を残すことができなくなってしまいます。

アサギマダラ蝶に欠かせないフジバカマの蜜。

これが双方の関係です。

(ライター 雲呑)