何とも言えないフレグランスなローズマリー。
ハーブ好きにはたまらない香りのする植物です。
そんなローズマリーを自宅で栽培する方法をご紹介します。
ローズマリーの特徴
ローズマリーは地中海沿岸地方の原産でシソ科に属する常緑性の低木です。
生葉や乾燥葉を香辛料や薬として用います。
花も食べることが出来て、抽出した精油は薬として利用されます。
高さは1.8mほどにまで成長する常緑灌木。暑く乾燥した気候を好み、耐寒性も高いのが特徴です。
緑が厚くなった細長い葉をつけ、擦るとマツににた香りがします。
冬から春にかけて青や紫がかった白い花が咲き、観賞用としても人気があります。
ローズマリーの育て方
ローズマリーは種を撒くか、挿し木で増やすことが出来ます。
園芸店などでは苗を販売しているところもあります。
種は4~5月に撒き、発芽するまでには1か月近くかかり、初期の生育はおそく、秋近くなっても10㎝くらいにしかなりません。
冬を越して2年目に入ると急激に伸びはじめます。
挿し木の場合は花の吐き終わった春か秋に行い、新芽を漬けた状態で茎の長さを5~6㎝くらいに切り、下の方の葉を取り除いて土に挿します。
根が出てくるまでは1か月ほどかかり、その後の生育は種を撒くよりも早く成長します。
陽当たりが良く、風邪通りの良い場所で育てます。
真夏の直射日光でも平気に育ち、多少陽当たりが悪くても育ちますが、湿気の多い場所では株の生育が衰えて弱ってしまうことがあります。
枝が込み合ってきたら、冬前や梅雨の時期に刈り込んで風通しを良くします。
庭に植えた場合には水やりは必要ありませんが、鉢に植えた場合には土の表面が乾いてきたら、たっぷりと水を与えます。
過湿にするとよくないので、やりすぎには気をつけましょう。
地植えは植え付ける前に鶏糞や米ぬかなどを混ぜた配合肥料を混ぜ込み、鉢植えの場合は液体肥料を10日に1回くらいの割合で与えます。
ローズマリーの利用
ローズマリーは古代から薬用に用いられてきました。
記憶力を高める効果があると言われ、西洋で大流行したペスト除けにも利用されていたこともあります。
イギリスでは監獄熱の感染予防に法廷に持ち込まれたとか、空気を清めるために病人のいる病院でたかれたなど、様々な使い方がされていたようです。
ローズマリーをアルコールと一緒に蒸留したものは、ハンガリーウォーターとも言われ、薬用酒として一般的に飲まれ、のちに香水として利用されるようになりました。
消臭効果や抗菌作用、抗酸化作用があり、肉の鮮度を長持ちさせたり、カレーやポトフなどのスパイスとしても利用されています。
また、精油はとても優れた神経刺激剤にあり、ヒステリーやてんかんなどの大半の神経障害を抑える効果があると言われています。
外用ではリウマチ痛と筋肉痛に非常によく効き、シラミなどにも効果があると言われています。
洗浄や刺激の作用で脱毛やフケなどにもとても有効です。
ローズマリーに関する逸話
14世紀ころ、ハンガリーのカーロイ1世の王妃、エリザベート1世が体調を崩していた時にローズマリーとラムをアルコールに漬けて抽出した水を使ったところ、見る見るうちに元気を取り戻し、若返り、20代だったポーランド王子からプロポーズされたと言われています。
このエピソードから、ローズマリーの水はハンガリー王妃の水と呼ばれ、若返りの水の別名を持っています。
高貴なイメージのするハーブのわりに、育て方は、最初を乗り越えればあとは簡単です。
初めて栽培する時には種からではなく、割と大きくなった苗を買って、始めるとうまくいくかもしれません。
ぜひ、あなたもローズマリー栽培に挑戦してみてはいかがでしょうか?
(ライター ナオ)