子供の頃、よく引っ張りっこをして遊んだオオバコ。
ご存知の方も多いのではないでしょうか?
選び方や持つ位置が勝敗に大きく左右するオオバコを夢中になって集めた記憶があります。
そんなオオバコ、昔は気にも留めていませんでしたが、花はもちろんひそかに咲いていたんです。
オオバコの特徴
オオバコはオオバコ科オオバコ属の多年草。
中国では車前草とも言います。
漢字で書くと、「大葉子」となることから、和名の由来は葉が大きいことから名づけられたと言われていますが、当て字とする説もあります。
地方によってはガエルッパやゲーロッパ、オンバコともよばれ、弱ったカエルをこの葉の陰におくと元気になるとも言われる俗説から名づけられたと思うような名前もあります。
日本では北海道から沖縄までの全土に分布する他、千島、朝鮮半島、台湾、中国、サハリン、シベリア東部、マレーシア等東アジアを中心に広く分布しています。
高地から平地までの野原や荒れ地、道端などにごく普通に自生する雑草で、踏みつけられても平気で、人が良く踏む道端などの場所に生えています。
これは、逆に言うと、人が踏みつけないような場所では背丈がないために、他の植物との競争に負けてしまうから、という理由でもあります。
花茎の他は茎は立たずに地面に埋まっています。
葉より長い葉柄があり、葉の形は楕円形か卵形、もしくはさじ形をしており、多くは根生葉で根元からロゼット状に四方に多数広がっています。
オオバコの花
茎と穂の部分は先に述べた、オオバコ通しの草相撲でよく使われますが、花は一体どこにさくのでしょう?
オオバコは風媒花で、風媒花で、春から秋、4~9月にかけて10~30㎝の長さの花茎をのばし、花は花茎のてっぺん部分に長い緑色の穂をつけ、そこに咲きます。
色は白色や淡い紫色の花で、下から上に向かって順番に咲いていきます。
オオバコの穂の先端からは細いブラシのような毛が1本ずつ伸びてきます。これがめしべです。
同じころ穂の下の部分からは紫や白の花びらと4本のおしべが伸びてきます。
風邪が吹くとおしべから霧のような花粉が広がり、穂の上部のめしべがこれを受け取るという仕組みです。
これらの受粉は違う株同士で行われます。
オオバコの利用
オオバコの葉や種子は咳止めなどの薬用になり、若い芽は食用になります。
成熟した種子を車前子といい、全草を天日で乾燥させたものを車前草といい、日本薬局方に収録されている生薬でもあります。
これらを煎じて複葉すると、咳止めやたんきり、下痢止め、消炎、むくみの利尿に効用があるとされ、また葉も種子も熱を冷ます効用があると言われています。
オオバコの種子は30%も粘液を含んでいます。
オオバコの種子を服用することで、種子が腸内で拡張し、整腸効果が期待できると言われていますこのことが下痢を止めたり、便秘に対しても効果があると言われているのです。
また、コレステロール値や血糖値の降下作用もあると言われています。
高血圧にも良いとされ、中国ではオオバコの種子を高血圧の予防に用いているのだそうです。
他にも、眼病や婦人病にも効果があると言われています。
また、オオバコを山菜のように食べることも可能のようです。
若い芽を摘み取り、軽く塩ゆでし、水にさらしてアクを抜けば、おひたしやあえ物で美味しく食べられるのだとか。
オオバコのまとめ
オオバコは日本中どこにでも分布している植物。
特に人の踏みつけるような場所に生息している。
花は穂の上部にめしべが、下部分からはおしべが生え、風によって違う株同士で受粉している。
オオバコは漢方薬としてや、山菜として食べることが可能です。
(ライター ナオ)