夏休みに、筆者の実家がある田舎に帰省すると、夜、カエルの大合唱が聞こえ、風情があるどころかうるさくて眠れないときがあります。
どんな田舎かと思われるかもしれませんが、昔はどこにでも見られた日本の原風景ともいえます。
ここでは、カエルにまつわるトリビア「カエルは異物を飲み込むと胃袋ごと吐き出す」のはほんとうか?また、そうするのはなぜなのか?などについて見ていきます。
日本でよく見られるカエル
最近ではめったに見かけられなくなったカエルですが、見かけるとユーモラスな姿に癒されますよね。
日本でよく見かけるカエルにはどんなものがいるでしょうか。
アマガエル
夏、雨上がりの緑の葉っぱの上にちょこんと座っている姿を見かけます。
名前のとおりに雨が降りそうになると気圧の低下を感じ、木にのぼります。
茶色の幹や土の上だと茶色に変化します。
ヒキガエル
「ガマの油売り」で有名なカエルで、ガマガエルとも呼ばれます。
耳腺から猛毒を出し、古くから神事に使われたり怪談に登場したりするカエルです。
ウシガエル
日本のカエルのなかでは、もっとも大きなカエルで、モーモーと牛のように鳴きます。
体長は10~20cmにもなり、食用ガエルとしてアメリカから輸入されてきたものが野生化したといわれています。
トノサマガエル
日本のアニメのルーツともいわれる、国宝『鳥獣人物戯画』でウサギと相撲などをとっているカエルの絵のモデルになったカエルです。
オスよりメスのほうが大きく、オスは全体的に緑っぽい色、メスはオスに比べて白っぽい色をしています。
カエルのこども、オタマジャクシ
カエルの赤ちゃんであるオタマジャクシは、卵から孵化し、田んぼや池・沼などの淡水のなかで暮らします。
丸い胴体にシッポがついている可愛らしい形で、えら呼吸をしています。
1ヶ月~2ヶ月ほどで大人になりますが、ウシガエルなどは大人になるまで1~2年かかり途中で越冬します。
では、オタマジャクシからどのようにカエルに成長するのでしょうか。
まずシッポの付け根から小さな後ろ足が生えてきて成長していきます。
そのあとに前足が出てきます。後ろ足が生えてから成長するのに対して、前足は皮膚の中である程度成長してから皮膚を破って生えてきます。
シッポはしだいに胴体に吸収され大人の体になるのです。
カエルのエサは?
カエルは何を食べているのでしょうか。
カエルは肉食動物です。舌を伸ばして虫を捕らえて食べます。
大型のカエルになると小型の哺乳類も食べることがあるそうです。
一方、カエルの赤ちゃんのオタマジャクシは水中の水草や藻を食べていますが、小さい昆虫などの肉系も食べることができるようです。
カエルは異物を飲み込むと胃袋ごと出す!
かつてフジテレビ系で『トリビアの泉 ~素晴らしきムダ知識』という、「明日から使えるムダ知識」を紹介する雑学情報番組が放送されていました。
その番組で紹介された、口からピンク色の胃袋を出すカエルの映像は衝撃的でしたが、ご覧になった方はいるでしょうか。
カエルが胃袋を出すのはなぜか?
カエルの口は非常に大きいので、誤飲・誤食することが多いそうです。
異物を飲み込んだり、飲み込んだハエやハチに胃の内部を刺激されたりすると、当然嘔吐します。
それは人間も同じです。
ただカエルの場合は、人間と比べて食道が広くて柔らかいので、胃袋ごと異物を吐き出そうとするのです。
口から飛び出した胃袋を、手を使い何度も何度もこすり、一生懸命に異物を取り除きます。
そしてきれいになったら飲み込み、胃袋は体内へとおさまります。
縁起のよい生き物、カエル
日本には、カエルの住処となる田んぼや湖沼が多かったので、人々にとって身近な生き物のひとつでした。
『万葉集』の時代からカエル(かはづ)やその鳴き声が歌に詠まれてきました。
芭蕉の「古池や蛙(かはづ)飛び込む水の音」、一茶の「やせ蛙(がえる)まけるな一茶これにあり」などの俳句は、現代でも親しまれていますよね。
カエルという名前は、他の土地に移しても必ず元のところに帰ることに由来するともいわれています。
日本では、カエルはこどもをたくさん産むことから「子孫繁栄」に通じ、さらに「お金が返る」「福帰る」に通じる縁起のよい生き物とされてきました。
西洋でもジャンプして幸運をつかむ生き物として親しまれているようです。
おもしろいことに、ノーベル賞の授賞式後、受賞者は学生主催のパーティに出席するのですが、学生と希望する受賞者は、さらなる飛躍を願ってカエルのようにジャンプする「蛙跳び」の儀式があるそうです。
まとめ
『ど根性ガエル』、『ケロケロけろっぴ』、『ケロロ軍曹』など、人気キャラクターにもなっているカエル。
でもほんもののカエルには最近出会ってないなあ~。
カエルが鳴いたりオタマジャクシが泳いでいたりするなつかしい風景に出会いたいものです。
(ライター sensyu-k)