ベルツノガエルは、両生綱・無尾目・ユビナガガエル科・ツノガエル属に分類されるカエルです。
ツノガエルのなかでも有名で人気がある種です。
ここではベルツノガエルとその寿命について紹介します。
ベルツノガエルの生態
ベルツノガエルの体長は、オスが10センチ、メスが12.5センチとメスのほうが大きくなる傾向にあります。
眼上部の角状突起は小型です。
ベルツノガエルの体色は、緑色や緑褐色で、暗褐色や暗緑色のはんもんが入ります。
ちなみに、種小名の「ornata」は「装飾された」という意味です。
ベルツノガエルの幼生(オタマジャクシ)は、全長が6~7センチ(尻尾が長い)です。変態直後の幼体は、体長2センチになります。
また、幼生は水中でも水上でも攻撃を受けると音を発します。早ければ孵化(ふか)して3日目から発することができ、しかも幼生同士で音による情報伝達をします。
ベルツノガエルの幼生同士が、音での情報伝達をする仕組みは今のところ謎ですが、「共食いを防ぐ働きがあるのでは?」という説があげられています。
ベルツノガエルの生息地
ベルツノガエルは、アルゼンチンやブラジル、ウルグアイに渡るパンパと呼ばれる土地の肥えた草原地帯に生息しています。
ほかにも洪水でできた一時的な水域の近くの草地などにも生息しており、用水路やかんがい農地などでも見られます。
ベルツノガエルは、普段は単独で生活していて、雨季の間には活発に活動します。乾季が来ると土のなかで休眠して過ごします。
ベルツノガエルの食性
ベルツノガエルは、子供のころは、おもに昆虫類を食べます。
成長とともに両生類や爬虫類、ミミズやクモなども食べるようになり、ときにはネズミなど小型の哺乳類や小鳥などを食べることもあります。
食性は動物食です。
あまり動きまわることはなく、なかば土のなかに潜んでいて、近寄ってきた獲物を丸呑みします。
ベルツノガエルは貪欲で、近くに寄ってきたものなら、口に入る大きさの獲物はもちろん、それよりも大きい獲物も捕らえようとします。
気性も荒く、脅かしたりすると相手に向かってジャンプして、噛みつこうとします。
ちなみに、ウルグアイでは34個体を用いた胃の内容物の調査がありました。
ベルツノガエルが食べたのは、カエルが78.5%、鳥類(スズメ目)が11.7%、げっ歯類が7.7%、ヘビが0.3%でした。
ベルツノガエルの繁殖
ベルツノガエルの繁殖期は雨季です。メスが大雨の後、川の氾濫(はんらん)でできた一時的な池や水たまりなどに200~1000個ほどの卵を産みます。
ベルツノガエルの卵は、2週間ほどで孵化(うか)します。
幼生(オタマジャクシ)は、共食いもしながら急速に成長します。
ベルツノガエルの幼生は、3~4週間ほどで完全変態して陸に上がっていきます。
ベルツノガエルの寿命
ベルツノガエルの寿命は、飼育下では14年くらいといわれています。
一方、野生での寿命は5~8年程度です。南米の苛酷な環境下では、天寿をまっとうできる個体は少ないようです。
ベルツノガエルのその他雑学
ベルツノガエルは、開発による生息地の減少や、農薬や工場排水などの土壌・水質汚染などによって生息数が減少しています。
また、ベルツノガエルはペットとしても人気で、日本でもよく飼育されています。
ほぼ飼育下繁殖個体のみが流通しています。
国際自然保護連合(IUCN)のレッドリストに準絶滅危惧種(NT)として記載されています。
ベルツノガエルのまとめ
以上、ベルツノガエルとその寿命についていかがでしたか?
ベルツノガエルは、ペットとして非常に人気でたくさんの方が飼育をされています。寿命が長く、人工エサなど飼育する環境も整っているので、興味を持った方はぜひ挑戦してみてください。可愛いですよ。
(ライター ジュン)