真っ赤なお腹が可愛らしいイモリですが、最近では野生個体が減少し、自然の中で見かけることは少なくなってしまいました。

今回は、そんなイモリの生態をみなさんにご紹介していきます。

イモリの生態

イモリは有尾目イモリ科に属する両棲類です。

ヤモリやサンショウウオと混同されることの多いイモリですが、爬虫類であるヤモリとは外見も生態はまったく異なります。

一方でサンショウウオとは類似点も多いですが、イモリの仲間はざらついた皮膚を、サンショウウオの仲間はつるつるした皮膚をもっていることから、その質感で簡単に見分けることができます。

 

また、サンショウウオの多くは陸棲傾向が強く、変態後は繁殖期以外水中に入ることは稀ですが、イモリはその多くが繁殖期以外にも水中ですごします。

幼生、成体ともに完全な肉食性で、小型の水生生物を捕食します。

イモリの種類

20種近くが確認されているサンショウウオに対して、日本国内に生息するイモリはわずかに三種類しか確認されていません。

アカハライモリは日本全国に広く分布しており、その名の通り、腹部が真っ赤な斑模様を呈しています。

シリケンイモリは奄美諸島および沖縄諸島にのみ分布する固有種で、背中に見られる金粉をまぶしたような美しい模様が特徴的です。

イボイモリも沖縄周辺に分布する固有種で、名前の由来にもなっている体側部にせり出したイボが特徴的です。

 

いずれもサンショウウオと比較して水温や水質の変化に強く、天然記念物として指定され飼育や採取が禁止されているイボイモリを除いた二種はペットとしても高い人気を誇っています。

イモリの飼い方

同じ両棲類であるアマガエルと同じようにイモリの手足には吸盤がついているため、ガラス面を自在に登ることが可能です。

加えてイモリはアマガエルと比べて活発な傾向にあり、頻繁に脱走を企てます。

 

そのため飼育する際には、しっかりと蓋のできる飼育容器を用いる必要があります。

イモリの体長と同程度の深さに水を張り、流木や浮島などで陸場を作ります。

 

水中ですごすことがほとんどなので、陸場は小さくて構いません。

イモリは水を激しく汚すため、強力な濾過設備を設置するか、頻繁に水替えをすることで水質の悪化を防ぎます。

 

飼育水はカルキを抜いたものを使用してください。

床砂はあってもなくても構いませんが、濾過設備を設置しない場合には床砂は敷かない方がベターです。

 

イモリは人工飼料にも簡単に餌付くので、専用フードや肉食熱帯魚用のペレット、水棲カメの餌などをメインに、メダカや赤虫、アカミミズなどの生餌を適宜与えると良いでしょう。

 

給餌は週に一度、食べ残しのないように与えてください。

雌雄を混同して飼育していると、イモリは容易に産卵します。

 

繁殖期になるとオスの尻尾が美しい紫色を呈しますので、婚姻色を確認したら産卵場所となる水草を設置すると良いでしょう。

卵や幼生は親イモリに食べられることがありますので、産卵を確認したら速やかに隔離してください。

 

幼生には活きたミジンコや赤虫、すりつぶした人工飼料などを与えます。

ある程度の大きさまで成長した幼生は共食いをする習性があるので、数匹程度のグループに隔離してください。

 

イモリを飼育する上で最も注意が必要な時期が、上陸直後です。

上陸直後のイモリは基本的に活き餌しか食べない上に、幼体の口は小さいので、赤虫やイトミミズ、極小サイズのコオロギなどを食べるだけ与えてください。

その後、徐々に人工餌に切り替えていきます。

イモリの寿命

両棲類は爬虫類と比べて代謝の緩い種が多く、イモリも例外ではありません。

冬眠をさせれば20年近く、冬眠をさせない場合でも15年近い寿命があります。

 

イモリは小さい生き物ですが、飼い始めたら長い付き合いをすることになります。

飼育をする際にはそのことをよく考えて、慎重に判断してください。

(ライター 國谷正明)