コイと聞いて何を思い出すでしょうか?

とりわけ話題性のある生物のようには思われませんが、実はコイ、かなりの長寿だってご存知すか?

コイの生態

コイはコイ目コイ科に分類される魚。

比較的流れが緩やかな川や池、湖、沼などに生息しています。

もともとは中央アジア原産ですが、環境の適応性が高く、放流が盛んにおこなわれたため、現在は世界中に分布しています。

コイは一見フナにも似ていますが、目や頭が体に対してフナよりも小さく、口元に2対の口ひげがあるのが特徴です。

 

体長は60㎝程度ですが、1mを越すものもいます。

大きく野生の個体と飼育・養殖されてきた系統の個体に分かれますが、野生の個体は体高が低く、細身な体つきで動きも速く、飼育されてきた系統の個体はその逆。メスに比べて、オスの方が頭部が大きくなっています。

 

食性は雑食。

水草や貝類、ミズなどの昆虫類や甲殻類、カエル、他の小魚や魚卵なども食します。

 

口に歯があるわけではないのですが、喉に咽頭歯という歯がついていてい、飲み込むときにこの歯で硬い貝殻なども叩き割って飲み込みます。

コイには胃がないので、ここで消化しやすくなっているというわけ。

 

口は開くと下向きに開き、湖底のエサなどをついばみやすくなっているというのも、特徴です。

ウェーバー器官という骨格を持っており、この器官が浮袋から伝わる伝道を感知し、聴覚の代わりをすると言われています。

 

繁殖期は春から夏にかけてで、産卵が近づくとコイ達は浅瀬に集まります。

バシャバシャと水音を立てながら、水草に産卵、放精を行います。

 

一度の産卵数は50~60万程。

卵は付着性で水草などに付着し、数日後に孵化します。

 

稚魚の内は浅瀬で過ごしますが、成長するにつれて深い場所に移動します。

よく言われる「コイの滝登り」はコイの習性を誤解した言葉で、実際に普通の大きさのコイが滝を上るこという習性があるわけではないそうです。

コイはもともとジャンプが下手で、水面下まで上がってきて反転する行動がジャンプに誤解されているのだとか。

コイの寿命

コイは実はきわめて強い生命力を持っていて、魚にしてはかなりの長寿。

平均でも20年以上、まれに70年を超す個体もいると言われています。

年齢は鱗の年輪から推定され、岐阜県の東白川村で飼育されていた「花子」という個体は226年生きていると言われ、ギネスブックにも載っているのだそう。

他の飼育されている他のコイに関しても、1967年の調査で150歳以上とみられる6匹が見つかっているのだそうです。

コイに関するエトセトラ

日本では琵琶湖や四万十川のような大きな河川に見られる野生のコイはノゴイと呼ばれ、外来の飼育されている系統とは遺伝子的に相当の差があることがわかっています。

また、コイは水質の良い河川では餓死してしまう場合もあり、低酸素環境の水質の悪い水域を好むということもわかっています。

 

コイの病気として知られるのがコイヘルペスウィルス。

ニシキゴイの放流が原因とされる地元のコイの大量感染などが問題になったりすることもあります。

コイのまとめ

コイはコイ目コイ科に分類される魚で、比較的流れが緩やかな川や池、湖、沼などに生息している。

もともとは中央アジア原産だが、現在は世界中に分布している。

 

野生の個体と飼育・養殖されてきた系統の個体がいて、野生の個体は体高が低く、細身な体つきで動きも速く、飼育されてきた系統の個体はその逆。

コイの寿命は20年以上、まれに70年で岐阜県の東白川村で飼育されていた「花子」という個体は226年生き、ギネスブックにも載っている。

ノゴイと飼育されている系統とは遺伝子的に相当の差があると言われている。

(ライター ナオ)