テントウムシにはさなぎになる時期があるのでしょうか?

テントウムシは縁起がよいという話もありますが、以下は主にテントウムシの昆虫としての生態に関する内容になっております。

テントウムシは完全変態

テントウムシは卵から孵化し幼虫となり蛹化してさなぎになり羽化して成虫になります。

テントウムシの幼虫は見たことがある人も多いかと思います。

テントウムシはアブラムシを食べてくれる親切な昆虫ですから、アブラナ科の植物などの枝を注意してみると黒いものがいるな、というのがわかるかと思います。

しかし外見上は、テントウムシの幼虫というより別の虫に見えますね。

テントウムシの種類と模様

テントウムシにも種類が多くいますが、ごく一般にこれぞテントウムシ、という姿をしていると思われる、ナナホシテントウ(coccinella septempunctata)がいます。

ナナホシテントウは赤い体に黒い斑点を持つ、甲虫の一種です。

大きさは5mm~8mmくらい、成体が見られる時期は3月から10月まで日本全国に広く分布しています。

テントウムシは甲虫目多食亜(カブトムシ)目テントウムシ科の昆虫です。

 

ナミテントウ(harmonia axyridis)も多くみられるテントウムシです。斑点の入り方が東日本と西日本で異なるみたいです。

関西では、黒色に大きめの赤い模様がふたつ入ったテントウムシがおなじみかもしれません。

 

一般にナナホシテントウよりも黒い部分が多く、光沢があります。

大きさはナナホシテントウとほぼ同じで、食性は肉食です。

テントウムシの模様の入り方は様々で、羽化しないとどんな模様になるのか分からないようです。

テントウムシの幼虫

テントウムシの幼虫は春先に孵化します。卵は黄色っぽく細長い卵型で2mmくらいです。

木の葉の裏などに10~40個ほど産卵します。テントウムシの幼虫は約2日で孵化し、幼虫になります。

 

3回ほど脱皮し、体が大きくなります。第一から第二齢くらいの間に体節にオレンジ色の模様が出るようになります。

成長スピードはきわめて早く、あっという間に幼虫の時期は過ぎます。

 

孵化から10日ほど経て終齢幼虫となったナミテントウムシは、体が黒くオレンジの模様もくっきりしています。

腹部の中央付近にオレンジ色の突起のようなものがある、黒い虫です。

 

アブラムシなどを食べてよく肥えています。

餌が足りなくなると共食いもします。テントウムシは幼虫から成虫まで肉食です。

テントウムシのさなぎ

幼虫は初夏のころにさなぎになります。

テントウムシの幼虫もさなぎになる前は餌をあまり食べずじっとしています。

 

頭を下にして、どこかくっつける場所にじっととまっています。

意外にもコンクリートの壁などにくっついている場合もあります。

 

終齢幼虫がさなぎになる直前は少し動きます。ゆっくりと体の色が黒からオレンジ色を帯びていきます。

何となく苦しそうにもみえます。最後の方になると、もぞもぞと体を動かし、オレンジの新しい服を体に合わせるみたいにも見えますね。

 

最終的にさなぎになったテントウムシは、全体的にオレンジ色のもので覆われています。

大きさは10mmほどです。テントウムシのさなぎの特徴は、さなぎの時期によって色合いが変わっているように見えることです。

羽化が近づくと、オレンジ色がやや黒味を帯びてきます。

テントウムシの羽化

約1週間ほどのさなぎの時期を経て羽化の直前になると、テントウムシのさなぎは少し体が伸びます。

頭から成体のテントウムシが出てきます。皮を脱ぐようにも見えますね。羽化してからしばらくすると、後ろの方から翅らしきものが出てきます。

 

羽化してから一日くらいかけてつるりとした光沢や模様もはっきりしたテントウムシの姿になります。

羽化が行われるのは明け方です。テントウムシの卵が孵化しさなぎになるまでは約20~23日程度です。

テントウムシは成虫になってから約1、2ヶ月ほど生きます。

不思議なテントウムシ

テントウムシのさなぎもかなり不思議です。幼虫の姿もインパクトがありますが、さなぎでいる間は非常に無防備です。

テントウムシ自体が目立つ色合いですが、さなぎの状態のテントウムシはもっと目立つように思います。

また、テントウムの幼虫に毒はありません。

(ライター:おもち)