水中最強の昆虫は?と聞かれたら、ゲンゴロウだと答える人も多いでしょう。

つるんとした無駄のないフォルムに強靭なあごは、少年たちに大人気です。

 

ペットショップなどで売られていることもあるので、飼育の経験がある人も多いのではないでしょうか。

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今回はゲンゴロウの中でも代表種である、「ナミゲンゴロウ」について見ていきたいと思います。

ナミゲンゴロウの生態

ナミゲンゴロウは台湾、中国、朝鮮半島、シベリアに分布し、日本でも北海道から九州まで幅広い範囲に生息しています。

生息地は主に池や水田。

 

全長は34~42mmで、光沢のある卵型の体型をしています。

ナミゲンゴロウの体色は緑か褐色ですが、緑色のものはまるで宝石をはめ込んだブローチのようにきれいですよね。

 

とても虫とは思えないです。

ナミゲンゴロウの体のつくりは水中での生活に特化しており、水を効率よく掻くための毛の生えた太い脚を使い、活発に泳ぎ回ります。

 

また、おしりに空気タンク代わりの空気の泡をくっつけることで、水中で長時間活動することも可能。

食性は肉食で、弱った小魚や昆虫を主な餌としています。

 

ただし…他に餌がない場合は、同じナミゲンゴロウ同士で共食いをすることも。

顎の力は強力で、口から出る消化液で獲物を溶かしつつ、齧り取ります。

 

もしナミゲンゴロウが人間サイズだったら…水中で出会ったら人間なんてひとたまりもないでしょうね。

水中生活に特化した体をしているナミゲンゴロウですが、活動範囲は水中だけではありません。

 

立派な翅があるので、夜に灯りめがけて飛来してくることも。

晴れた日には植物の茎などに止まって、日光浴のようなことをする姿も確認されています。

凶悪!ナミゲンゴロウの幼虫

十分恐ろしいナミゲンゴロウの成虫ですが、幼虫の頃は成虫よりもさらに凶悪だということを知っていましたか?

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まずなんと言ってもデカい。

 

成長した幼虫はなんと成虫の2倍の大きさにまでなるのです。

全長は約8㎝。

 

幼虫のくせにかなりの大きさで、しかもグロテスク…。

ナウシカに出てきそうな感じです。

 

しかも弱った生き物をターゲットにする成虫とは違い、生きた獲物を餌とする生粋のハンター。

鎌のような大きく鋭い顎を持ち、動くものであれば何でも襲って捕食するというから驚きです。

 

そのため、バンバン共食いもします。

顎からは獲物を麻痺させる毒を出し、同時に消化液を体内に注入。

 

液状化した中身を吸い取るのです…。

この毒や消化液は強力で、自分よりも大きな獲物すら瞬時に麻痺させ、捕食を可能にします。

 

人間ですら、指先などをナミゲンゴロウの幼虫に噛まれると、組織が壊死したり炎症を起こしたりする場合があるそうです。

ナミゲンゴロウの幼虫に触る時には、細心の注意を払いましょう!

ナミゲンゴロウは絶滅の危機に…

そんな水中最強の昆虫であるナミゲンゴロウですが、現在はかなり数を減らし、絶滅危惧種にまでなってしまっています。

原因は人間の手による生息環境の破壊。

 

かつては水田などでよく見られるありふれた昆虫でしたが、農地改良による生息地の分断や農薬による汚染、さらには池の埋め立てや護岸工事などにより、生息地が激減してしまったのです。

 

また、外来種であるアメリカザリガニやブラックバスによる食害も深刻であり、現在では人の手が入っていない場所でないと姿を見ることができなくなってしまいました。

しかも自然の生息数が減少するにつれ、ペットとしての需要は高くなり、それが乱獲を招いてしまう結果にもつながっているのです。

地域的には既に絶滅したとされている都道府県もあり、ナミゲンゴロウがこんなにも窮地に追いやられていることに驚きますね。

ナミゲンゴロウについてのまとめ

現在ナミゲンゴロウをその目で見るためには、ペットとして売られているものを購入するか、いまだ多く生息している地域に訪れるかするしかありません。

またいつか、身近な池や水田などで、ナミゲンゴロウの姿を見られる日は来るのでしょうか…。

(ライター もんぷち)

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