アクアリウムを綺麗に彩ってくれるヌマエビ。

淡水と海水を回遊するエビとしても知られていますが、

その生態や寿命は一体どうなっているのでしょう?

ヌマエビの特徴と生態

ヌマエビは十脚目ヌマエビ科に分類されるエビの一種。

西日本と南西諸島の河川に生息する淡水生のエビです。

 

成体は体長40㎜に達し、メスの方がオスよりも大きく、複眼後方に棘があります。

ハサミを持っていて、ハサミの先端は剛毛で覆われています。

 

体色はメスが透明な褐色で、背中の中央に黄褐色の縦線があり、これが腹節の後ろ辺りで横に枝分かれしています。

また、体の側面に黒褐色の斑紋と黄白色の小さな斑点があるのも特徴です。

 

分布は新潟県、千葉県以南の本州、四国、九州、南西諸島で朝鮮半島南部の報告もあります。

温暖な海域に注ぐ河川に生息していて、上流から河口域まで見られます。

 

名前に沼がついていますが、基本的に川と海と連続した沼に限られています。

産卵期は3~10月で、メスは繁殖期間に何度か産卵し、卵は0.45㎜×0.25㎜の楕円形で一度の産卵数は1000~5000個ほどです。

卵から孵化したゾエアと呼ばれる幼生は、海に流されそのまま海で成長し、稚エビに変態して川を遡りってかえってきます。

人とのかかわり

ヌマエビはアクアリウムでの飼育の対象になったり、釣り餌に利用されたりします。

農薬によって死滅したり、河川改修等によって河川環境の変化が脅威となったりで地方によっては絶滅危惧種になっているところもあります。

各府県のレッドリストでは千葉県で絶滅危惧種のⅡ類に、滋賀県と京都府で準絶滅危惧種に指定されています。

ヌマエビの飼育

ヌマエビの中のミナミヌマエビの飼育は小さな淡水魚と一緒に飼ったり、単独の水槽で飼ったりして楽しむことができます。

ただし、大きな魚と混浴させるとすぐに食べられてしまうので注意が必要です。

 

主に夜に活動しますが、水温が20~25℃前後あると昼間でも活発に活動します。

生物の死骸や水槽のガラス面についたコケなどを食べ、水槽内の掃除屋的存在にもなります。

 

水草は基本的に食べず、飢餓状態になると食べるようになります。

繁殖力が強いので、繁殖して増やしたい人にもオススメです。

同じ種類でヤマトヌマエビもいますが、こちらは淡水での繁殖は不可能です。

 

メダカと一緒にセット販売されていることも多く、60㎝水槽の適正な飼育としてはメダカ20匹、ミナミヌマエビ10匹くらいです。

繁殖させるなら、なおさらこれくらいの余裕をもって飼育した方が良さそうです。

 

中には稚エビが隠れられるようシェルターや水草などを沢山入れてあげましょう。

ろ過フィルターの給水口は稚エビにとっては危険な場所です。スポンジフィルターなどで吸い込まれないように工夫も必要です。

ヌマエビの寿命

ミナミヌマエビの寿命は1~3年程と言われています。

同じヌマエビでヤマトヌマエビはミナミヌマエビに比べると大型になりますが、こちらは5~7年程生きるのだそうです。

メダカなどと一緒に水槽で飼う場合はどちらも繁殖をさせながら、楽しんで飼育することが出来るので、一石二鳥です。

ミナミヌマエビの特徴と寿命に関するまとめ

ヌマエビは十脚目ヌマエビ科に分類されるエビの一種。

分布は新潟県、千葉県以南の本州、四国、九州、南西諸島で朝鮮半島南部の報告もあります。

 

淡水で飼育できるので、メダカなどと一緒にセット販売されていることも多く、両者とも繁殖と飼育を楽しめる。

ヌマエビの中の小型のミナミヌマエビは主に夜に活動しますが、水温が20~25℃前後あると昼間でも活発に活動する。

寿命はミナミヌマエビが1~3年で、大型のヤマトヌマエビは5~7年程。

(ライター ナオ)