ごく最近、日本国内で38年ぶりにカワウソの姿が目撃されたそうです。
日本に生息するニホンカワウソは絶滅していると考えられているため、カワウソ熱が上がっているようですが果たしてその寿命は?
カワウソの生態など
カワウソは南極とオーストラリアを除く、ほぼ全域に生息している哺乳動物です。
食肉目イタチ科で体長はおよそ40~80cmほど。
同じイタチ科にはラッコ属もいます。
カワウソは英語でotterですが、ラッコはsea otterです。そういえばカワウソとラッコは顔が似ていますね。
カワウソの大きさは種によって異なり、一番の小型種はコツメカワウソで約60cm~90cmで3kgほど、大型種のオオカワウソは体長は1mを超え体重は30kgにもなるといわれます。
頭は丸く、体は細長く、長めの尾は平たくできており水の抵抗を受けにくい身体つきをしています。
四肢には爪もしっかりありますが、水中で泳ぐ為の水かきがついています。
よく考えると毛並みがふわふわで且つ水かきもついているという、奇妙な生物にも思えますね。
カワウソは水中では呼吸できませんが、約8分は息を止めて潜水する事ができるようです。
カワウソは2年で成熟し、1年に1度3、4頭の子供を産み、約1年ほど子育てをします。
群れで過ごすのも特徴のひとつであり、群れの中での役割分担も決まっているようです。
川に棲み、甲殻類やカエル、魚などを食べる肉食です。
カワウソは泳ぐのがそこまで速くはないため、動きの遅い魚を食べているようですね。
水中では水が体内に入らないよう、耳や鼻は閉じています。
夜行性ではありますが、種類によっては薄暮時に姿を見せる事もあるそうです。
生息域は広いカワウソですが個体数は少なく、絶滅危惧種になっている種もいます。
カワウソの毛皮は、とても滑らかで毛が密集して生えており二層構造になっているので、保温性が高く、高額で取引される事もあり密輸が多いようです。
また、カワウソが好む川や湿地帯の減少や環境の悪化などもあり、カワウソは全体的に減ってしまいました。
カワウソの寿命
だいたい12年程といわれています。哺乳動物の寿命については、生まれてから性成熟までの年数が長いほど長くなるともいわれます。
カワウソの場合、成熟するまで約2年ですから、少なくとも10年は生きると考えられます。
カワウソは妖怪か
昔々の日本では、カワウソは妖怪のように扱われていたとか。
確かにカワウソはいたずら好きみたいです。
水辺などに巣を作ったり、トンネルのような通路をこしらえて顔を出しているものもいます。
日本各地で違うようですが、姿を変化させる事が共通点のようですね。中には河童のモデルというものもあります。
カワウソと河童はあまりにも似ていない気がしますが、どうなのでしょうか。
富山地方などでは、カワウソは食肉目(ネコ科)の為、上手に化ける事ができ、一つ目小僧に化けていた、という民話もあるようです。
子供に化けて酒を買いに行くだとか、比較的おっとりした民話が多いようでもあります。
昔の日本では人間とカワウソは親しみ深く、割とよく見かける動物だったのでしょうか。
カワウソの名前の由来については諸説ありますが、もとは「カワヲソ」だったという話もあります。
川にいる、ヒトを化かす恐ろしいもの、という意味だそうです。
カワウソに関する民話の中に、城のお堀に棲むカワウソが美人に化けて近づいてきた男性を喰い殺すというものがあるようですが、その名残でしょうか。
カワウソと正岡子規
高名な文学者の忌日は「〇〇忌」とされる事があります。
「獺祭忌(だっさいき)」は正岡子規の命日です。
獺(カワウソ)が獲った魚を並べておくように、詩歌を詠む際に沢山の書籍などを広げて散らかす事を獺祭と言う事から、正岡子規は自らの居を獺祭書屋と表した事が由来だそうです。
ちなみにその日は9月19日で、今年(2017年)は正岡子規誕生150周年だそうですね。
カワウソについて
カワウソは現在4属12種ほど生息しています。
国内でカワウソを見たい時は、飼育されている水族館や動物園へ行きましょう。
ガラス越しにカワウソと握手ができる事もあります。
伊勢夫婦岩ふれあい水族館(二見シーパラダイス)では、カワウソと握手する形態を最初に始めたらしいです。
大昔にこの水族館を訪れた事がありますが、残念ながらカワウソに関する記憶はありません。
しかしカワウソの個体数が減少している中、国内で飼育している施設が結構多い事に驚きますね。
(ライター:おもち)