のそのそと歩くヒキガエル。

ぴょんぴょん跳ねるカエルのイメージとは程遠い存在のヒキガエルですが、彼らの寿命は一体どれくらいなのでしょう?

日本のヒキガエルの種類

ヒキガエル科に属するカエルは世界中に沢山存在します。

その中で日本に生息しているヒキガエルは南西諸島に生息するアジアヒキガエル。

日本全土に生息しているニホンヒキガエル。

北陸地方から紀伊半島にかけての渓流に生息するナガレヒキガエル。

石垣島や小笠原諸島に生息するオオヒキガエルの4種類です。

アズマヒキガエルの鳴き声は体に似合わず高音で可愛らしく、子犬や鳥のようです。

ヒキガエルの特徴と生態

四肢は短くのそのそと歩くのがヒキガエルの特徴。日本に生息しているヒキガエルの大きさは10~20㎝前後です。

水掻きも発達していません。皮膚や背面にある多くのイボは牛乳のような白い有毒の粘液を出していて、細菌や寄生虫などが繁殖するのを防いでいると言われています。

 

人間にとってはそれほどの毒ではありませんが、不用意に素手で触れるのはやめた方が良いようです。

森林地帯にとどまらず、民家や公園にも生息していて、人の存在になれることから、夜に庭先でばったり遭遇なんてこともあるようです。

 

夜行性で獲物を捕らえる時には長い舌を使います。飛び上がって空中の虫たちを捕るようなことはほとんどありません。

オタマジャクシは普通のカエルに比べて若干大き目なのですが、ヒキガエルの大きさになってから成体になるのではなく、小さいまま幼体のカエルになります。

そこから何年かかけて成体のカエルに成長していきます。

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ヒキガエルの毒

ヒキガエルは後頭部にある大きな耳腺から毒を出します。敵の存在を感じると、勢いよく毒を飛ばすこともあるので注意が必要です。

この毒は体表の粘液とは違い、それなりに毒性もあり、古くから漢方薬などとして使われてきました。強心作用があり、乾燥させたものを生薬として服用したりもしています。

 

成分はブフオトキシンとセロトニン等で構成されています。

ブフオトキシンにはブフォタリンというステロイド系の猛毒が含まれていて、犬などが誤ってくわえるとその毒でひどい時には死んでしまうほどの強さを持っています。

 

目に入った時にもすぐに洗い流さないと失明する恐れもあります

他に、幻覚作用をもたらすブフォニンやブフォテニンなども含まれています。

 

人間の皮膚に付着すれば発疹などができ、口から摂取すれば下痢、嘔吐、幻覚、心臓発作などが起きる可能性もある毒です。

よく聞く「ガマの油」はこのブフオトキシンのことを指すのではないかとも言われており、そうなるとヒキガエルの毒は日本でも古くから使われてきた物質ということになります。

また、神経伝達物質であるセロトニンは捕食する時によく使われる毒ですが、ヒキガエルは捕食の時に毒を発することはあまりないようです。

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ヒキガエルの寿命

ヒキガエルの寿命は野生下では10年と言われています。

最高でも15年程。

 

これは種類によらず、だいたい同じ位のようです。

飼育下では36年という記録があるそうで、エサをもらえる状態ではかなり長生きするということのよう。

歳を重ねると、捕食する能力が衰えてしまうのかもしれません。

ヒキガエルの生態と寿命に関するまとめ

日本に生息するヒキガエルはアジアヒキガエル、ニホンヒキガエル、ナガレヒキガエル、オオヒキガエルの4種類。

ヒキガエルの後頭部には大きな耳腺があり、ここから毒を飛ばすことが出来る。

 

「ガマの油」はヒキガエルの毒のことを言っていたのではないかと考えられている。

ヒキガエルの寿命は10~15年で、飼育下では36年生きたという記録がある。

(ライター ナオ)

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