ミドリガメの特徴と生態
ミドリガメはアカミミガメとも言われ、アメリカに分布していて、全部で11亜種に分類されます。
最大甲長が28㎝ほどで、背甲はやや扁平かドーム状に盛り上がった形態をしています。
甲羅にはキールと言われる筋状の盛り上がりがありますが、老齢の個体では消滅してしまうこともあります。お腹部分は黄色です。
流れの緩やかな河川や湖、池沼などに生息し、底質の柔らかな水性植物が繁茂している深めの場所を好みます。
日光浴を好み、冬は冬眠しますが、南部の個体群では冬でも気温の高い日には行動します。
食性は植物食傾向の強い雑食で、植物の葉、花、果実、水草、藻類、魚類、カエル、鳥類、昆虫、クモ、甲殻類、巻貝、動物の死骸などを食べます。
繁殖時期は決まっておらず、一年中求愛や交尾を行い、繁殖形態は卵生です。
メスはオスの精子を数年にわたり保存することが可能で、交尾した翌年でも保存した精子で卵を産むことが出来ます。
水辺の地面が露出した場所に穴を掘り、一度の出産で2~23個の卵を、12~36日の間隔を開けて年に最大5回産みます。
土が乾燥している時は体内にため込んだ水分で土を湿らせてから、穴を掘り産卵することも知られています。
卵は60~80日で孵化し、オスが4~5年、メスが5~8年ほどで性成熟します。
ミドリガメの寿命
亀は万年と言いますが、1万年も生きている亀はいません。
ただ、カメ類全般に言えるのは細胞の代謝のサイクルが遅いので、動物の中では長寿の部類にはいるということ。
確実な長寿記録としてはアルダブラゾウガメという種類の152歳という飼育記録があり、その他のカメではギリシャリクガメの149歳、カロリナハコガメの138歳、ヨーロッパヌマガメの120歳という記録があります。
確実とは言えない記録としては175歳という飼育記録やギネスに登録されているものではホウシャガメの188歳というものがあるそうです。
いづれにしても大型のカメの寿命は100歳を超え、平均寿命は150歳と言われています。
ミドリガメの寿命は大型の亀に比べると大幅に短く、20~30年ほど。
中には45年生きたという記録もあるようですが、平均すると20~30歳が寿命のようです。
生後1~2年の死亡率が最も高く、イシガメの生後1年までの死亡率は50%とも言われています。
生後3年を過ぎると死亡率はぐんと下がるので、最初の1~2年をクリアすれば、あとは長生きするということのようです。
ミドリガメと人間のかかわり
ミドリガメはペットとして飼育されることが多いカメです。
日本にも輸入されていて、亜種ミシシッピアカミミガメは1960~1970年代にかけて大量の個体が流通しました。
不衛生な環境で飼育されたことから、一時はサルモネラ菌による感染症の原因とみなされ、流通が規制されたこともあります。
日本では幼体が祭りの縁日で「カメすくい」の遊びとして定番になりました。
しかし、成長すると気性が荒くなり、一般の家庭での飼育は難しくなることなどから、最近では飼育する人も少なくなっているようです。
また、クサガメやニホンイシガメはミシシッピアカミミガメの輸入によって野生化した個体に生息場所を奪われ、生息数が減っているという現状もあるようです。
ミドリガメの生態と寿命に関するまとめ
ミドリガメはアカミミガメとも言われ、アメリカに分布していて、全部で11亜種に分類される。
日本では幼体が祭りの縁日で「カメすくい」の遊びとして定番になった。
ミドリガメの寿命は大型の亀に比べると大幅に短く、20~30年ほど。
クサガメやニホンイシガメはミシシッピアカミミガメ(ミドリガメ)の輸入によって野生化した個体に生息場所を奪われ、生息数が減っている。
(ライター ナオ)