毎年騒がれるスズメバチの被害。

人間にとっても強敵のスズメバチたちの寿命は一体どれくらいかご存知ですか?

スズメバチの特徴と生態

スズメバチはハチ目スズメバチ科スズメバチ亜科に分類される昆虫。

スズメバチ科は4属67種が知られていて、日本にはスズメバチ属の7種類、クロスズメバチ属の5種類、ホオナガスズメバチ属の4種類が生息しています。

スズメバチのエサは終齢幼虫の唾液腺から分泌される栄養液で、糖分とたんぱく質が含まれる人乳に近い組成をしたものです。

この栄養液の不足分や終齢幼虫がまだ育っていない時期には花の蜜や樹液などを摂取し、エサのない時には幼虫を食べることもあるそうです。

 

また、秋にはたんぱく源としてシラタマタケのヒダの部分を摂取することもあります。

キイロスズメバチやオオスズメバチはセイヨウミツバチやニホンミツバチなどの巣を襲撃して、のっとってしまうこともあります。

幼虫時代のエサは基本的には昆虫類で、成虫が捕獲した昆虫や小動物、死体の筋肉質の部分を団子にしたもの等を摂食します。

アシナガバチの蛹やヒメスズメバチは肉団子ではなく、成虫が獲物をかみ砕いて貯めた体液を口移しで摂取します。

スズメバチの種類ごとの危険度レベル

天敵は人間をはじめ野鳥やニワトリ、クマなどが挙げられますが、オオカマキリやオニヤンマなどの大型のトンボ、クモなどもスズメバチを捕食する存在です。

また、カブトムシなども直接捕食はしませんが、同じエサ場に集まる時には攻撃を仕掛けていき、スズメバチに打撃を与える存在です。

 

幼虫の捕食者は同じハチだったり、ハナアブ類の幼虫だったりします。

女王バチはコメツキムシ科の幼虫に捕食されることがあり、アリなどに巣を襲われることもあります。

 

スズメバチは攻撃性が高く、1匹の女王バチを中心とした社会を形成します。

未受精卵はオスのハチになり、受精卵はメスのハチになります。

 

幼虫時代に食べたエサによって、女王バチが決定し、女王蜂は8~12月になると、終齢幼虫の栄養をたっぷりと摂取した後、巣を離れ、共に巣を飛び立ったオスバチと交尾をし、朽ち木などに越冬室を掘って冬眠に入ります。

 

翌年の春、冬眠から覚めて女王バチは営巣を開始します。

巣材料の収集や幼虫のエサの狩猟は主に働きバチの役割ですが、働きバチが誕生するまでは女王バチが単独で行います。

スズメバチの種類ごとの危険度レベル

何もせずに卵を産んでばかりいると思いがちな女王バチですが、しっかりと働いている期間もあり、むしろ全く働かないのはオスのハチなのです。

オスのハチは子孫を残すためだけの存在で、全く働かず、オスの大半は天敵に捕食されるか交尾前に力尽きてしまうという悲しい運命。

運よく、女王バチと交尾できたオスも交尾後に死んでいきます。

スズメバチの毒

スズメバチは強力な毒を持っているものが多く、毎年のように私たち人間も被害に合わされています。

スズメバチの毒針は生殖器が変化したもので、刺すのはメスだけ。

 

女王バチも毒針は持っていますが、攻撃性は低く、刺すことは殆どありません。

オスはもともと毒針を持たず刺すことはありませんが、威嚇のために刺す姿勢だけは取ります。

 

毒針は鋸状の細かい刃が密生した2枚の尖針が刺針の外側を覆うという構造をしており、皮膚のコラーゲン繊維を切断しながら刺さっていきます。

何度でも繰り返し指すことが出来ますし、空中から毒を散布することもあります。

 

空中散布された毒液は仲間に対しての警告フェロモンの役割をし、急速に仲間を集めます。

毒の成分は炎症作用を持つヒスタミン、神経毒であるセロトニン、アナフィラキシーショックの原因となるペプチドやたんぱく質などです。

スズメバチの寿命

スズメバチの寿命はオス、メス、女王バチによってそれぞれ違いがあります。

最も短いのはメスのハチで、1か月半ほど。オスのハチは3か月半。そして、女王バチは1年とも、3~6年とも言われています。

スズメバチの生態と寿命に関するまとめ

スズメバチはハチ目スズメバチ科スズメバチ亜科に分類される昆虫。

スズメバチのエサは終齢幼虫の唾液腺から分泌される栄養液。幼虫時代は昆虫などを摂食する。

スズメバチの寿命は働きバチで1か月半、オスバチが3か月半、女王バチは1~6年。

(ライター ナオ)

スズメバチの種類ごとの危険度レベル