ミジンコは、水中でプランクトンとして生活する微小な甲殻類です。
当記事ではミジンコの飼育について紹介します。
ミジンコの野生下の生態
ミジンコは、中型の種で体長1.5~3.5ミリです。
体は頭部を除き二枚貝のような背甲におおわれていて、横から見るとヒヨコのようなかたちをしています。
ちなみに、背甲の下に卵を抱えて孵化まで保育します。
ミジンコの大きな眼は、横から見ると左右あるように見えますが、実際は左右が融合した1つの複眼です。
正面から見るとサイクロップス(1つ目の巨人)のように見えるような――気もします。
ミジンコの頭部には、はっきりした吻があり、その下にある第1触角は吻端に達しません。
その体をおおう甲は広卵形で、後方の縁には細かなトゲが並びます。
後端にあるトゲ状突起は、甲羅の長さの4分の1以下です。個体によっては、トゲ状突起がないケースもあります。
ミジンコは、世界的に分布します。
日本でも全土に分布しており、浅い池沼に生息します。
ちなみに、ミジンコには、自分と同じクローンしか産まない単為生殖期と、交配して子孫を残す有性生殖期があります。
一般的には、環境が良いときはメスを産み、生存の危機が迫ったときにだけオスを産んで交配するといわれています。
また、エサや水温、日照時間の変化によって、休眠卵とよばれる卵を作り、有性生殖期にはオスとメスによる受精卵を作ることもあります。
ミジンコの採集方法
ミジンコは、日本全土の田んぼのなかにいます。
田植えが終わった頃から発生しますので、採集するならその時期がよいでしょう。
田んぼに多くいるのは、雨が降った数日後ですが、そんなに神経質にならなくても大丈夫です。
田んぼに水が張られている時期なら、テキトーに漁るだけでも採取できます。
採取は、ホームセンターなどの水槽売り場で市販されている網がオススメです。
網が一番細かいものを購入してください。
冬などの田んぼに水が張られていない時期は、ネット通販で耐久卵が買えます。
ミジンコの飼育に準備するもの
ミジンコの飼育に必要なものは以下の3つです。
ミジンコを飼育する容器
容器には口の広いジャム瓶、または虫などを買う飼育用プラケースがオススメです。
園芸用の培養土
培養土を入れた水をかくはんした後に、一晩で土のほとんどが底に沈むものがオススメです。
カルキを抜いた水道水
カルキを抜いた水を利用したほうが、微生物に影響を与えにくいでしょう。
温度管理
ミジンコは、25~28℃でもっとも繁殖をします。
なお、20℃で繁殖を停止します。
ミジンコは、過密飼育になると繁殖抑制物質が排出されて急激に減少するようです。
個体維持が困難と判断すると卵を産むので、全滅したり、水槽の水が干上がってしまっても、再び水を入れると復活することがあります。
ミジンコの餌について
ミジンコが食べるエサは、植物性プランクトンやバクテリアです。基本的には日光が当たる場所に水槽を置いておくだけでOKです。
ちなみに、枯れたワラを少し水槽に入れておくと、プランクトンなどが発生しやすくなります。
また、イースト菌を水槽に入れると、プランクトンやバクテリアのエサとなり、その結果、ミジンコのエサが増えます。
ミジンコにエサを与える頻度は、3~10日に1度くらいです。スポイトで少ない量を与えます。
冬は水温が低いので、エサの回数や量を減らすとよいそうです。
ミジンコの寿命など
ミジンコの平均寿命は1ヵ月といわれています。
ただし、水槽の環境が悪化して絶滅しても、耐久卵を産むことによって長い年月を耐え抜きます。
環境を整えると卵がかえり、水槽には再びミジンコがあふれるので、ある意味たくましい動物ではあります。
ミジンコのまとめ
以上、ミジンコとその飼育についていかがでしたか?
ネット通販でミジンコを検索すると、ほかの動物のエサとしてヒットするので、ちょっと複雑な気持ちになりますが、それでも手軽に飼育できる愛らしいペットです。
興味を持たれた方は、ぜひ、これを機会に飼育してみてくださいね。
(ライター ジュン)