「シュモクザメ」、英名では「ハンマーヘッドシャーク」。

その名の通り頭部が左右に張り出したハンマーのような形をしているサメです。

 

見た目は恐ろしいサメですが、シュモクザメは人を襲ったりするのでしょうか?

今回はそんな疑問や、シュモクザメの生態などについて詳しくまとめてみました。

シュモクザメってどんなサメ?

シュモクザメは北米と北欧を除く各国の沿岸部に生息しているサメです。

特徴は何と言っても左右に張り出したハンマーのような頭。

和名である「シュモクザメ」というのも、鐘を叩くための「撞木(しゅもく)」に似ていることが由来です。

この特徴的な頭部には「ロレンチーニ器官」と呼ばれる器官があり、ここで微弱な電気を感知して獲物を見つけたりすることができるのです。

 

他のサメにもこの器官はありますが、シュモクザメのものは他の種に比べてずば抜けて発達しているんですよ。

また、頭部が左右に張り出していることによりとても広い立体視角を持つことができたり、海底に潜むエサとなるエイを掘り出したりすることも可能。

 

一見ただの神様の悪ふざけか?と思うようなフォルムですが、あの特徴的な頭にもちゃんとした理由があったのですね。

ただし、視野が広い代償として「正面は死角になる」と言ったデメリットが。

 

いくら横がよく見えても、前が見えないのは致命的!

しかし、シュモクザメは頭を振りながらクネクネと泳ぐことで、この死角を克服しているのです。

 

確かにそれなら死角はなくなりますが、無駄に体力を使っちゃいそう…。

体長は種類にもよりますが、大きいもので6mを超える大型のサメ。

 

通常サメは単独行動をするものが多いのですが、シュモクザメは珍しく群れを作ることで知られています。

その数はなんと数百匹に及ぶこともあり、その群れが川のように見えることから「ハンマーヘッドリバー」と呼ばれることも。

そんなサメの大群と遭遇してしまったら、生きて帰れる気がしないですね…。

シュモクザメはどんな害がある?

シュモクザメは肉食性な上にかなりの大食漢で、魚やサメを始めエイ、イカ、タコ、甲殻類などを食します。

基本的に自分より小さいものなら何でも食べてしまうので、漁獲物を横取りする食害被害が多く発生しており、被害金額は相当なものになっているそうです。

 

食害も深刻ですが、もっと気になるのは「シュモクザメは人を襲うのか?」という点。

体長が数メートルもある大型で肉食のサメときたら、人間なんて襲って食べられてしまいそうですよね。

 

しかし、実際にはシュモクザメによる事故と断定された事例はほとんどありません。

「じゃあ海でシュモクザメに出会っても安心!」というわけではないですよ。

 

シュモクザメはイタチザメやホオジロザメなどの凶暴な人食いザメに比べれば、臆病で凶暴性の低い性格をしています。

しかしあくまでも大型で肉食のサメ。

 

獰猛なサメと比較して大人しいと言っても、人を襲うこともあります。

シュモクザメの仕業だと断定されていない、事故件数が少ないというだけで、「人間を襲う可能性がある」という事実には変わりありません。

 

日本でも3種類のシュモクザメが確認されており、日本に生息するサメの中では数も多い方です。

目撃例も多くあり、海水浴場が遊泳禁止になることも。

もし見かけても絶対に近寄らないようにしましょう。

シュモクザメについてのまとめ

「凶暴な人食いザメ」と言うほどではないけれど、十分危険なサメであることをしっかり頭に入れておいてくださいね。

特徴的な見た目から、他のサメと見間違うことはまずないと思います。

 

群れを作るので、一匹見かけたらその近くには大群がいるかもしれません。

襲われないためには、油断しないことが大切です!

(ライター もんぷち)