みなさんは「ホウライエソ」という魚を知っていますか?

なんだか聞き慣れない名前ですよね。

 

実はこの魚、めちゃくちゃ怖い顔をした深海魚なんです。

今回はそんな「ホウライエソ」について、まとめてみました。

怖いのが苦手な人は、一人で見ないほうがいいかもしれませんよ…。

ホウライエソってどんな魚?

ホウライエソは水深500~2500m程の温帯から熱帯の海域に生息している深海魚です。

体長は35cmほど。

 

特徴は何と言ってもインパクト大の恐ろしい見た目。

深海生物というのは深海という光の届かない特殊な環境で生き抜くため、私たちの度肝を抜くような姿をしているものが多くいます。

その中でもホウライエソは「ザ・深海魚」という見た目をしていますね。

 

深海生物をテーマにしているサイトのホーム画像や、書籍の扉絵などでもよく見かけるので、名前は知らなくても「あ、この魚見たことある!」という人は多いのではないでしょうか。

 

細長い体に比べて大きな頭、そして大きな口に長い牙。

「深海のギャング」「エイリアン」「未確認生物」などの異名を欲しいままにしています。

 

名前についている「ホウライ(蓬莱)」というのは、古代中国で海にある仙人が棲むと言われていた仙境の一つです。

同じ世界のものとは思えない、まるで別世界の生き物のような見た目から、このような名前が付いたのでしょうか。

 

はっきりとした由来は明確になっていませんが、昔の人がホウライエソを違う世界の生き物だと思うのも無理はない見た目ですよね。

現代人も、エイリアンだのなんだの言ってますし。

 

英名は「ViperFish」。

Viperというのは「毒ヘビ」という意味なんだそうですが、ホウライエソにも毒があるのかどうかは不明。

怖すぎる、ホウライエソの見た目の秘密

エサの少ない深海では、獲物を確実に捕えることが重要になってきます。

そこで発達した長い牙。

 

一度口に入れた獲物は決して逃がさない、いわば檻の役割をしているのです。

長く伸びた背びれをルアーのようにおとりにして獲物をおびき寄せ、近づいた獲物は大きな口でパクリ。

 

咀嚼するのには向いていない牙なので、捕らえた獲物は基本的に丸飲みします。

顎は大きく開くのでそれなりに大きな獲物でも捕食することはできますが、時には獲物が大きすぎるがゆえに飲み込むことができず、餓死してしまうこともあるそうです。

まさにハイリスクハイリターン。

 

大きく進化した牙もメリットばかりではないのですね。

それほど深海で生き残るのは大変だということなのでしょうか。

深海の中では中層捕食者という立ち位置で、自身も他の魚に捕食されたりもします。

人間とホウライエソ

人間とホウライエソ、一体どんな関わりがあるのでしょうか。

じつは、ホウライエソは今のところ人間とはとっても関わりの薄い魚なんです。

 

食用にされているわけでもないし、そもそもそんな頻繁に捕獲できたりするものでもありません。

水族館では短期間飼育された記録もあるようですが、基本的に深海魚の飼育はとても難しく、現在では飼育している水族館はないようです。

 

愛知県にある「名古屋港水族館」では、ホウライエソの骨格模型があり、捕食の際の動きを見ることもできるそうですよ。

興味のある人は、ぜひ見に行ってみてください。

ホウライエソについてのまとめ

深海というのは、宇宙と同じレベルで未知に包まれた領域です。

そのため、ホウライエソについてもまだまだ解明されていないことも多くあります。

 

いつかホウライエソのすべてが解明されたら、水族館などで普通に見られる日もくるのでしょうか。

あの恐ろしい顔を一度は生で(生きた姿で)見てみたいものです。

きっと生の迫力は写真なんかより何倍もすごいはず。

(ライター もんぷち)