水族館の人気者と言えばイルカ。
可愛らしい見た目に高い頭脳、穏やかな性格で、多くの人に愛されています。
しかし、中には鋭い歯を持ちクジラをも捕食するイルカがいるんです。
それが「オキゴンドウ」。
名前からしてなんだか厳つくて怖そう!一体どんなイルカなのでしょう?
今回はそんなオキゴンドウについてまとめてみました。
オキゴンドウってどんなイルカ?
オキゴンドウはクジラ目ハクジラ亜目マイルカ科に属する生き物です。
「イルカなの?クジラなの?」と疑問に思われるかもしれませんが、じつはどちらも正解なんですよ。
イルカとクジラの違いは大きさのみで、分類上は同じ種類の生き物です。
4m位を境に小さいのがイルカ、大きいのがクジラ。
オキゴンドウは全長6mほどになるので、その分類で行けばクジラですが、属しているのはマイルカ科なので、まあ結論としてはどちらも正解でOKなのです。
見た目もクジラとイルカを足して二で割ったような感じですね。
温帯から熱帯の海域に広く分布しており、比較的沖合を好む性質があるため、「沖に棲むゴンドウクジラ=オキゴンドウ」という名前になったと言われています。
(「ゴンドウ」というのは「巨頭」という意味。)
体が細長いことから、別名「キュウリゴンドウ」とも呼ばれています。
しかしキュウリってなんだかちょっと間抜けな雰囲気になっちゃいますよね…もっといい例えはなかったのでしょうか。
シャチにも似ていることから「シャチモドキ」なんて呼ばれ方をすることも。
オキゴンドウの特徴は、「歯」にあります。
通常、大抵のハクジラ(歯のあるイルカやクジラのこと)は丸飲みできる程度の獲物を引っ掛ける程度のものですが、シャチとオキゴンドウだけは例外。
丸飲みできない大きさの獲物も、肉をかじり取って食べることができるのです。
そのため、自分よりも大きなクジラやイルカを捕食することも。
通常は10頭から50頭ほどの群れを作り行動しており、多い時には数百頭にもなる群れを形成することも。
動きは非常に素早く活動的です。
特に、「ブリーチング」と呼ばれる、水面からジャンプして飛び出し、体を水面に激しくぶつける行動は迫力満点。
水族館などでもショーの目玉の一つになっています。
高速遊泳も得意だそうです。
人間との関わり
オキゴンドウは物覚えが良く人間に懐きやすいため、多くの水族館で飼育され人気者となっています。
ブリーチングや、水面に顔を出して口を開けたり舌を出したりするお茶目な仕草は見る人を楽しませてくれますね。
クジラをも捕食するということで「もしかしたら人間も襲われるかも」と思われがちですが、基本的に人を襲うことはありません。
ただ、遊びやじゃれているつもりで噛みつくことなどはあるようなので、触れ合うのには十分な注意が必要です。
一方で、水族館で人気のオキゴンドウも、漁師たちにとっては天敵。
延縄にかかったマグロなどの高価な魚を食べてしまうことから、時に駆除の対象になってしまうこともあるのです。
漁師もゴンドウクジラも、生きるためには魚を獲らなければならない…両者が上手く共存できる環境を作るのは難しいですね。
オキゴンドウについてのまとめ
オキゴンドウは真っ黒な体と鋭い歯から、時に「エイリアン」や「悪魔」などと呼ばれることもあります。
しかし、愛嬌のある仕草や迫力のあるジャンプを見れば、そんなイメージは吹き飛びます。
興味がある人は、一度オキゴンドウを飼育している水族館に出向いてみてはいかがでしょうか。
ホエールウォッチングなどで見られることもあるそうですよ。
水族館のオキゴンドウもいいけれど、大自然を泳ぐ姿もまた迫力満点で素晴らしいと思います。
(ライター もんぷち)