全体が真っ白な体が特徴のスバールバルライチョウを知っていますか?

実はスバールバルライチョウは日本にとっても大事な鳥なのです。

 

日本のニホンライチョウを復活させるための大きな要となってくれているんですよ。

そんなスバールバルライチョウに注目してみましょう。

スバールバルライチョウとは?

スバールバルライチョウはノルウェーにあるスバールバル諸島とロシアにあるフランツのヨーゼフ諸島に生息しています。

ライチョウのなかで一番北方に分布していて、とても寒いツンドラ地帯や高山に住んでいます。

スバールバルライチョウはライチョウのなかで一番体が大きくて、日本のニホンライチョウと親戚で、飼育環境や見た目がとっても似ています。

昼行性で群れで生活しています。

 

主食は草の葉っぱや茎ですが昆虫を食べることもあります。

ちなみにスバールバルライチョウの大好物は「花」です。

スバールバルライチョウの形態

スバールバルライチョウの体長は35~40cmぐらいで、体重は500~1200gです。

スバールバルライチョウは夏と冬で羽根が変わります。

 

冬の間は真っ白でふわふわな羽根ですが、夏は茶色い羽根に変わります。

雪にとけこめるように真っ白い色をした羽根です。

 

冬の羽根は、冬を暖かく過ごせるようにボリュームがあります。

茶色の羽根は6月から8月までの3ヶ月間だけですが、暑い夏を涼しく過ごせるようにボリュームが少なめです。

夏場の岩場にとけこめるように羽根が茶色い色をしています。

 

スバールバルライチョウの羽根の生え変わりは頭や首から始まって、オスよりメスのほうが早く始まります。

スバールバルライチョウの脚は、脚の指先までふわふわの羽根で覆われています。

 

これは、スバールバルライチョウが寒い地域で生活していることから、寒いところでも暖かく生活できるように足先まで羽根がたくさんあるのだと言われています。

しかも氷の上で滑らないように、雪に脚が深く埋もれないように、スバールバルライチョウの脚はわらじなどの下に着用する「かんじき」のようになっています。

 

スバールバルライチョウのオスは目の上に赤い鶏冠があります。

オスの鶏冠は、春の繁殖期に大きくなるんですよ。

スバールバルライチョウは怖がり?

ライチョウは漢字で「雷鳥」と書きます。

雷の鳴るような天気でも天敵を避けるために活発に活動することが名前の由来だと言われています。

 

その他にも、江戸時代の頃よりライチョウは雷による災難や火による災難から守ってくれる「雷(らい)の鳥」とも呼ばれていました。

ですから日本のニホンライチョウは昔から「神の鳥」としてとても大切に扱われていました。

 

なので、ニホンライチョウは人を全く怖がりません。

ですが、スバールバルライチョウは人に追われた過去があるので、とても人を怖がります。

 

なぜかと言うと、スバールバルライチョウは狩猟鳥なんです。

ですので、人が少し近づくだけで逃げていってしまうんです・・・。

人の住む地域や環境、文化の違いで、人のことを好きになったり、怖がったりと性格が変わってしまうのですね。

スバールバルライチョウを見ることのできる動物園

日本ではニホンライチョウの保護活動を行うために、スバールバルライチョウの飼育をして、飼育技術の取得と研究を行っています。

スバールバルライチョウは日本のニホンライチョウを救うための希望の星なんですよ。

現在、スバールバルライチョウが見られる動物園をご紹介します。

  • 上野動物園
  • 茶臼山動物園
  • 富山ファミリーパーク
  • いしかわ動物園
  • 金沢動物園
  • 那須どうぶつ王国

今年の6月、上野動物園でスバールバルライチョウが孵化しています。

ちいさくてとっても可愛いあかちゃんです♪

元気にすくすく育ってくれるといいですね。

(ライター 雲呑)