どこかすっとぼけた表情と不器用に泳ぐその姿が人気のハコフグ。
観賞用として人気がある魚ですが、実はこのハコフグ、とっても美味しいらしいんです♪
ハコフグの生態
ハコフグは日本では北海道以南に生息しています。
幼魚の頃は50㎝以下の内湾などにいることが多いようですが、成魚になると深い海域まで移動することもあります。
体長は成長すると、5㎝ほどになります。
全体は五角形の箱のようなビジュアルで、全身は六角形の板状の鱗で覆われています。
骨板どうしがかみ合って全身を覆っているので、表面はまるで硬い甲羅のようになっています。
動くのは口と鰓、尾とヒレの部分だけということになり、泳ぎ方はとっても不格好です。
他のフグと違い体に棘はありません。
基本的に黄褐色ですが、オスは成長すると背部分が青っぽい色になります。
メスや幼魚は青色は帯びません。
くちばし状の吻の先端には鑿(のみ)状の歯が集まっていて、食性は雑食。
底生動物を好み、カイメンや小型の甲殻類、ゴカイや貝類などを食します。
敵に攻撃されたり、びっくりしたりすると皮膚から粘液と共にパフトキシンと言われる毒を分泌し、身を守ります。
ハコフグの毒
ハコフグはパフトキシンの他にも内臓に毒を持つと言われています。
この毒はパリトキシンと言われる成分で、食物連鎖による生物濃縮で肝臓に蓄積されると考えられています。
実際に中毒で死亡した例があり、以来、皮と肝臓の販売は禁止されるようになりました。
長崎県の昔からある郷土料理「かっとっぽ」はハコフグ本体を器にして、身と肝を味噌やネギと一緒に和えたものを本体に入れ、丸ごと焼くといった豪快な料理でしたが、現在はその料理からも肝は取り除かれてしまっているようです。
ハコフグの全体の約半分が肝で占められているほど、大きい肝が食べられないとなると、郷土料理の味も全く違うものになってしまっているようですが・・・・
命には代えられません。
外見で毒のあるなしがわかればよいのですが、残念ながらわからないようです。
ハコフグ料理
ハコフグの身はさすがフグだけあって、弾力があり深い味わいがして美味なのだそう。
淡泊でありながら、それでいてしっかりとした旨味が感じられるので、調理方法はシンプルなものが良いようです。
例えば、唐揚げやソテーなどを塩味でいただく!お酒のあてには最高の一品です。
また、肝は使えなくなってしまいましたが、身を味噌とネギなどと和えても美味しいようです。
お刺身なんかもgood!!
刺身の肝和えも・・・・おっとこれはダメです、残念ながら。
観賞用のハコフグ
綺麗な色合いと不器用な泳ぎ方で観賞用としても人気のあるハコフグ。
人懐っこい一面もあるらしく、水槽などに入れて人間が近づくと、水槽によってきて顔を近づけるのだとか。
本能的な行動ではあるのでしょうが、それが人懐っこさに繋がり!?ペットとして十分な存在のようです。
しかし、先述しましたが皮膚からは粘液性の毒をだすので注意が必要。
他の魚と一緒に水槽に入れておくと、何らかの拍子でハコフグがびっくりして粘液を出した時には、水槽内の魚が全滅してしまいます。
さかなクンの帽子もハコフグ
メディアに頻繁に登場するお魚博士のさかなクン。
彼の被っている帽子もハコフグなんです。
一生懸命泳ぐ姿が大好きなのだとか。
ハコフグのまとめ
ハコフグは北海道以南の内湾に生息している。
ハコフグは全身を硬い甲羅で覆われていて、ヒレや口などしか動かず泳ぎが下手。
黄褐色の綺麗な色合いをしていて、観賞用としても人気がある。
皮膚から粘液と共にパフトキシンと言われる毒を分泌する。
肝臓にも生物濃縮されたパリトキシンという毒を含んでいる可能性がある。
身は弾力があり淡泊だが味わい深い。
(ライター ナオ)