サソリと言えば、恐ろしいイメージの強い生物。
外国の熱帯地域の話でしょう?なんて流暢なことを言ってはいられませんよ。
実は日本にもサソリは生息しているんです。
世界のサソリ
世界中を見渡すと、実に1000種類ものサソリが生息しています。
でも、この全部が毒を持っているわけではなく、人間にとって危険な毒を持っているサソリはそのうちの25種類ほど。
ほとんどのサソリは特に強い毒もなく、危険な生物ではないんです。
しかし、毒を持っているサソリに関してはもちろん注意が必要。
ブトトキシンやセロトニンの神経毒にやられ、年間で1000人ほどが死に至っているという報告もあります。
特に毒が強く危険なサソリとして有名なのはオブトサソリです。
人間でもこの毒にやられると一発でノックアウト!!夜行性で動きが素早いのでとても危険です。
ペットとしてサソリを可愛がっている人もいるようですが、日本ではあまりの危険度に輸入禁止になっているサソリです。
また、イスラムで生物兵器として使われていたこともあるというストライプバークスコーピオンも強力な毒を持っています。
弾頭に弾薬の代わりにこのサソリを入れて敵地に打ち込んでいたというほどのサソリ。
とにかく、毒を持ったサソリというのは実際に存在するわけですから、注意は必要です。
日本のサソリ
さて、日本のサソリを見てみましょう。
スズメバチやハブやマムシのように、その毒性で話題になったことはありませんが、日本にもサソリは生息しています。
八重山諸島にノミ生息している八重山サソリは体長3㎝ほど。枯れ木の皮の下などに生息していて、普段は節足動物やシロアリなどを捕食しています。
人家に現れることはほとんどありません。
全体が褐色をしていて、単為生殖で子孫を増やす珍しいタイプのサソリです。
地域によってはオスの存在の記録もあり、そういう場所では通常の交尾が行われていることも考えられるようです。
単為生殖で子孫を残すサソリは全世界を見ても7種類ほどしかおらず、とても珍しいと言えます。
胎生で、生まれたばかりの子供はメスの背中で一週間を過ごし、そののちに離れていきます。
毒性は弱く、噛まれても蚊に刺された程度の痒みしかないのだとか。
もう一種類は八重山諸島、宮古諸島、小笠原諸島に生息しているマダラサソリです。
名前の通り、茶色ベースの全身にマダラ模様があり、樹皮下や人家の壁などで生活しています。
体のマダラ模様は樹皮に似せた保護色の役割をしています。
体長はヤエヤマサソリに比べてやや大きく、6㎝ほどでヤエヤマサソリよりもスリム。
ヤエヤマサソリ程無毒とは言いずらいのですが、危険なほどの毒はなく、ミツバチ程度とされています。
実際に人に対して刺す意思もないような穏やかなサソリです。
動きが素早く、捕食する時は小さな虫を素早く捕まえて、毒針を指すのですが、大型のサソリやイタチ、鳥や爬虫類などに捕食されることも多いサソリです。
まとめ
サソリは危険な種類だけではありませんが、中には猛毒を持ったものもいるので、注意が必要です。
ペットブームの中、間違って逃げ出してしまったサソリなど、思わぬところにいるかもしれません。
そんな時はむやみに触らないようにするのが賢明です。
ちなみに、書きそびれましたが、世界最大のサソリはダイオウサソリと言ってアフリカ大陸に生息しています。
黒々とした巨大なハサミを持っていて、とにかく強そう。
体長も20~30㎝もあるのだから迫力たるや半端ないのですが・・・こちらのサソリも毒は大したことがなく、ちょっと痒くなる程度なのだとか。
でもハサミはかなり強力らしいので毒よりもハサミに注意です。
見た目だけでは判断できないサソリたち。皆さんも見つけた時にはご注意を!